
「技術や製品開発の競争力を高めたいけど、具体的にどうすればいいのかわからない……。そんな悩みをお持ちではありませんか?」
企業が競争力を維持するためには、効率よく新しい技術や製品を開発する必要があります。しかし、自社だけのリソースでそれを実現するのは、難しい場合もあるでしょう。
産学連携を行うと、大学や研究機関とタッグを組むことで、通常では得られない知見や資源を活用できる可能性が広がります。
この記事では、産学連携のメリットや成功のためのポイントをご紹介します。連携方法も解説するので最後までご覧ください。
目次
産学連携とは
産学連携とは、企業と大学や研究機関が協力し、技術や知識を共有することで新たな価値を創造する取り組みのことです。企業と大学それぞれに利点があり、連携のための制度づくりが進められています。
産学連携の目的
産学連携の主な目的は企業の競争力向上と研究成果の社会実装です。企業側は大学の持つ先進的な研究力や技術を活用することで、新規事業開発や製品の改良に役立てることができます。
一方で、大学や研究機関にとっても、研究成果を社会に還元し、現場のニーズに基づく新しい課題を見つける良い機会となります。
また、知識や設備を共有することで研究開発コストを削減できるメリットもあります。さらに、プロジェクトを通じて学生が実践的なスキルを習得し、企業に即戦力として貢献する人材育成につながる場合もあるようです。
これらの目的を共有することで、産学が相互にメリットを得られる関係が構築されるのです。
産学連携の背景
近年、ITの進展やグローバリゼーションの影響で、迅速に変化へ対応できる企業経営が求められるようになりました。これに伴い、企業は基礎研究から製品開発までを外部と協力して進める傾向が強まり、大学や政府機関を技術開発や人材育成のパートナーとする動きが広がっています。
一方、大学側も産業界のニーズに応じた実践的な人材育成や社会課題解決を目的とする研究の推進が求められています。また、知識社会における国際競争力確保のため、産学官連携や地域活性化を目指した政策も進展しています。
参考:文部科学省1.産学官連携の意義~「知」の時代における大学等と社会の発展のための産学官連携
産学連携のメリットは?
企業が大学や研究機関と連携する産学連携には、以下のような具体的なメリットがあります。
- 大学が持つ研究力や設備を事業に活かせる
- 資金を援助してもらえる可能性がある
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
大学が持つ研究力や設備を事業に活かせる
企業は、大学が持つ専門的な知識や最先端の設備を活用することで、新しい価値を創出する可能性を広げています。大学は最先端技術や知識の研究拠点であり、企業が単独ではアクセスしにくい分野やリソースを提供できる場合があります。
例えば、大学の先進的な研究設備を利用することで、実験や分析に要する時間やコストを大幅に削減することが可能です。また、大学の研究者と連携することで、企業が直面していた技術的な課題を解決できるケースも多く見られます。製薬企業が大学の生化学研究室と共同で新薬を開発する例は、その成功事例の一つです。
このように、大学との連携は、技術革新を推進し、新製品の開発を加速させるメリットがあります。
資金を援助してもらえる可能性がある
産学連携を通じて、企業は大学からの資金援助や公的な研究費を利用できる可能性があります。
特に、政府や自治体が支援する「共同研究助成金」や「技術革新補助金」などの制度を活用することで、研究開発費の負担を軽減できます。
この仕組みは、企業にとって二重のメリットがあります。
一つ目は、研究コストを削減できることです。実験機材やスタッフの人件費を賄うことで、研究に専念しやすくなります。
二つ目は、連携そのものが社会的な信用力を高めることです。大学との共同プロジェクトは、企業が技術革新に取り組む姿勢を示し、取引先や投資家からの信頼を得る要因となります。
このように、資金面でのメリットも産学連携の大きな魅力の一つです。
産学連携の方法3つ
産学連携を成功させるためには、目的やニーズに合った適切な方法を選ぶことが重要です。
以下では、代表的な3つの連携方法について詳しく解説します。
1.共同研究を行う
2.大学研究者による技術指導を受ける
3.TLO(技術移転機関)による技術移転
これらの方法を上手に活用すれば、企業は大学との連携を通じて競争力を高めるだけでなく、持続的な技術革新を実現できるでしょう。
1.共同研究を行う
共同研究は企業と大学が対等な立場で協力し、互いの強みを活かして課題解決や新技術の開発を目指す方法です。企業は現場の課題や市場ニーズを提供し、大学はその解決に向けた理論的なアプローチや先端技術を持ち寄ります。
たとえば、自動車メーカーが大学の材料工学部と共同で軽量かつ耐久性の高い素材を開発する場合などが挙げられます。このように、双方が専門知識とリソースを共有することで、単独では達成できない成果を得られるのが共同研究の大きな利点です。
ただし、研究成果の知的財産権の取り扱いについては、事前に明確に取り決めておく必要があり、注意が必要です。
商品開発のステップについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
市場に刺さる商品開発のステップを解説!効率化の方法や成功事例も紹介
2.大学研究者による技術指導を受ける
大学研究者の専門的な知識を直接活用する技術指導は、企業が抱える具体的な技術的課題の解決に役立ちます。
この方法では、研究者が企業のプロジェクトに参画し、最新の研究知見や技術を現場に応用します。たとえば、中小企業が製造プロセスの効率化を目指して、大学教授から直接アドバイスを受けるケースが典型的です。
技術指導は短期間で成果が得られる場合が多いため、新規事業の立ち上げや緊急課題の対応に適しています。また、研究者との関係構築は、今後の共同研究やさらなる連携のきっかけにもなるでしょう。
3.TLO(技術移転機関)による技術移転
TLO(Technology Licensing Organization)は、大学が保有する特許や研究成果を企業に提供し、実用化を支援する専門機関です。
この方法では、企業が必要とする技術や特許をTLOを通じてライセンス契約を結び、活用します。たとえば、バイオテクノロジー分野で新しい治療法や診断技術がTLO経由で企業に移転され、実用化されることが多くあります。
TLOは、研究成果を商業化するプロセスを効率的に進める役割を担うため、企業は自社でゼロから開発を始めるよりもリスクとコストを大幅に軽減できます。
ただし、技術移転を成功させるには、移転後の実用化計画や市場ニーズの明確化が重要です。
産学連携を成功させるポイント
産学連携を成功に導くためには、以下のポイントを押さえておくのがおすすめです。
・企業が主体的に進める
・双方が納得するまで話し合う
これらのポイントを意識することで、産学連携は単なる協力関係を超え、企業の競争力を飛躍的に高めるパートナーシップへと発展させられるでしょう。
企業が主体的に進める
結論からいうと、産学連携の成功には、企業がプロジェクトの主導権を握ることが不可欠です。
大学や研究機関は基礎研究や学術的な成果を重視する傾向がありますが、企業の目的は市場での競争力を高めることにあります。
そのため、企業は自らのニーズや目標を明確に伝え、研究の方向性を適切にリードする必要があります。
具体例として、製造業の企業が大学と共同で環境に配慮した新素材を開発する場合、企業が市場の需要やコスト制約を提示し、研究の現実的な方向性を示すことが求められます。
主体的に進めることで、プロジェクトが企業の実益に直結する形で進行しやすくなります。
商品開発の流れや成功事例を詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
双方が納得するまで話し合う
産学連携では、双方が十分に話し合い、お互いの期待や役割を明確にすることが重要です。
例えば、企業が期待する成果のタイムラインや研究費用の分担、知的財産権の取り扱いについては、初期段階で合意しておくべきです。
また、大学側も研究に対する学術的意義や長期的な研究テーマの追求を重視するため、これらを無視すると信頼関係が損なわれる可能性があります。
具体的な手法としては、定期的な進捗確認会議や、中間成果のレビューを実施することで、双方のズレを早期に解消できます。
結果として、双方が納得した状態でプロジェクトを進行できるため、より高い成果を生み出すことができるでしょう。
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まとめ
企業が大学や研究機関と連携することで得られる価値を最大化するには、適切な手法を選び、効果的に進めることが重要です。産学連携をうまく活用することで、企業の新規事業や技術革新を加速させるだけでなく、長期的な競争力向上にもつながります。
記事で紹介した方法やポイントを参考に、ぜひ産学連携を実践してみてください。