
「新規事業を始めてみたいけど、何から手をつければいいのかわからない……。大企業がどうやって成功しているのかも気になるなぁ。」
そんな悩みをお持ちではありませんか?新規事業を立ち上げることは、企業の成長や競争力向上に欠かせない一方で、成功には具体的な知識や事例から学ぶことが必要です。
本記事では「新規事業を成功させるポイント」を徹底解説します。具体的な事例として、ラクスルやヤマト運輸、富士フイルムといった大手企業の取り組みを紹介しながら、新規事業を成功に導く秘訣や手順を分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば、貴社でも実践できるアイデアが見つかるはずです!ぜひ最後までご覧ください。
目次
企業における「新規事業」とは
新規事業とは、企業がこれまでの枠を超え、新たな価値を創造し収益を上げるための取り組みを行うことです。
企業が新規事業を展開する理由は多岐にわたりますが、その背景には既存事業の成長が頭打ちになるリスクへの対応や、新しい市場での競争優位性の確立が挙げられます。特に大企業では、社会的影響力を活かして新しい産業を切り開くことで、より大きな変革をもたらすことが可能です。
新規事業は単なる挑戦ではなく、企業の未来を左右する重要な戦略のひとつといえるでしょう。
新規事業を立ち上げるメリット
新規事業を立ち上げると、以下のなメリットがあります。
- 新たな市場の開拓:未開拓の分野に進出し、成長のチャンスを広げます。
- 収益源の多様化:既存の事業に依存せず、リスク分散を図れます。
- 競争力の強化:革新的な製品やサービスを提供することで、他社との差別化を実現します。
そのほかにも、社会課題の解決や社員の成長といった側面から、新規事業を立ち上げる場合もあるでしょう。
大企業における新規事業の事例3つ
ここでは、以下の3つの企業が行った新規事業の具体例をご紹介します。
- ラクスル株式会社
ラクスル株式会社は、印刷業界をリードする企業です。紙媒体への印刷が再評価される中、同社は従来の出版物印刷に加え、ネット印刷という新しい市場を開拓しました。これまで培った印刷技術を活用し、紙だけでなくノベルティやアパレル製品へのオリジナル印刷といった新たな分野にも進出し、ネット印刷における会員登録数でNo.1を達成しています(2022年11月時点)。
参考:ダイアモンドオンライン「ラクスル」が印刷業界を席巻できた理由、創業メンバーが明かす新規事業立ち上げの極意
- ヤマト運輸株式会社
ヤマト運輸は、配送経験を活かし家電修理サービスを展開しています。従来、故障した家電の修理は利用者自身で梱包し、メーカーや販売店へ依頼する手間がありました。これに着目し、同社は家電の回収から返却までを一括で行うサービスを提供。また、「パソコン宅急便」ではパソコンやデジタルカメラを安全に輸送可能です。既存のリソースを活用し、顧客の負担を軽減しながらニーズに応える事業となっています。
- 富士フイルム株式会社
フィルム事業から撤退後、化粧品や医療機器など異業種に進出し、再び成長軌道に乗りました。化粧品開発以前から持っていた技術をうまく応用することで、肌に効果的にアスタキサンチンを届ける「ナノアスタキサンチン」を開発しています。
参考:富士フイルム株式会社フィルム事業から化粧品事業への転換
これらの事例から、既存のリソースを最大限に活用しつつ、顧客の課題を解決する視点が重要です。
新規事業を立ち上げる手順
新規事業を成功させるためには、明確な手順を踏むことが不可欠です。以下のステップを参考にして立ち上げへの一歩を踏み出してみてください。
- 担当者を決める
- 理念やビジョンを明確にする
- 市場調査を行う
- ニーズを検討する
- ビジネスプランを作成する
- マーケティングを行う
- 評価と改善を行う
これらを実践すれば、リスクを最小限に抑えながら、新しい挑戦をスムーズに進められるでしょう。それぞれのステップについて、詳しく紹介します。
担当者を決める
まずは、プロジェクトの中心となる担当者を決めることが重要です。
担当者の役割は、チームをまとめ、事業計画を形にして実行すること。そのため、リーダーシップや専門知識、プロジェクト推進力を持つ人材を選ぶ必要があります。
たとえば、製品開発が主軸の事業であれば、製品の技術に精通したエンジニアが適任かもしれません。一方で、マーケティング重視の事業では、顧客ニーズを把握できる営業やマーケターが理想です。
適任者が決まれば、プロジェクトの成功確率がぐっと高まるでしょう。
理念やビジョンを明確にする
次に、事業の目的やビジョンを明確にしましょう。
「なぜこの事業を立ち上げるのか」「どんな価値を提供したいのか」を明らかにすることで、チーム全体が同じ方向を目指せるようになります。
たとえば、環境保護を目的とした事業であれば、「廃棄物を減らす製品を開発し、持続可能な社会を作る」というビジョンを共有することが重要です。この明確な目標が、社員のモチベーション向上にもつながります。
市場調査を行う
事業を成功させるには市場調査が必須です。一例として、次のような情報を収集する必要があるでしょう。
・競合他社の状況
・ターゲット市場の規模や成長性
・消費者のニーズや嗜好
これらのデータを基に、参入すべき市場や製品戦略を具体化します。たとえば、新しい飲料を開発する場合、競合商品と差別化するための「味」「価格」「販売チャネル」などを明確にしましょう。
ニーズを検討する
顧客のニーズを正確に捉えることが新規事業の成否を左右します。ニーズ検討のためには、アンケート調査やインタビュー、ソーシャルメディアの分析などを行い、潜在的な課題を探ります。時代やトレンドに合わせたニーズを捉えることで、成功に近づけるでしょう。
ビジネスプランを作成する
新規事業の成功に向けた設計図であるビジネスプランを作成します。
まず、事業の目的や目標を明確に設定します。例えば、売上目標や顧客数など、具体的な数字を含めると効果的です。
次に、必要なリソース(資金、人材、設備)を洗い出し、それぞれの確保方法を計画します。また、ターゲット市場や競合他社の分析結果を基にした差別化戦略を記載します。
さらに、事業開始から収益化までのスケジュールを詳細に描くことで、関係者の理解と協力を得やすくなります。このように、ビジネスプランは成功への道筋を示す重要なツールです。
マーケティングを行う
マーケティングは、事業の成功を左右する重要な要素といえます。ターゲット顧客に効果的にアプローチするために、広告、SNS、イベントなどの手段を駆使しましょう。
マーケティングについては以下の記事も参考にしてみてください。
マーケティングにおける 商品開発の重要性とは?成功事例と具体的な戦略を解説
評価と改善を行う
最後に、事業の進捗を評価し、課題を改善するプロセスが必要です。PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を取り入れ、定期的に成果を検証しましょう。これにより、現場で起きる問題を迅速に解決し、効率的に事業を進めることができます。
新規事業を成功させるポイント5つ
新規事業の成功には明確な戦略が欠かせません。以下の5つのポイントを押さえることで、成功率を大幅に高められるでしょう。
・ターゲット設定を的確に行う
・市場を見極める
・事業に合った人材を配置する
・システム化思考を持っている
・検証と改善を迅速に行う
これらのポイントを順に詳しく解説していきます。
1.ターゲット設定を的確に行う
目標を明確にしないと、事業の方向性がぼやけてしまいます。
目標設定では、具体的な顧客像を描くことが重要です。例えば、年齢、性別、職業、ライフスタイルなどを細かく分析し、理想の顧客像を明確にします。
さらに、その顧客が慎重な課題やニーズを把握することで、提供するサービスや商品が常に期待に応えられるようになります。これにより、マーケティングや商品の設計もスムーズに進められます。
2.市場を見極める
どの市場に参入するかを見極めることは、新規事業の命運を左右します。
市場の規模、成長性、従来の強さなどを分析することが重要です。例えば、どこの市場でも競争に不安なのか、まだ開拓されていないニッチ市場を目指すのかを決定します。
成長が期待される市場ではリスクもありますが、しっかりと調査と戦略を立てることで大きく、チャンスを掴むことが可能です。
3.事業に合った人材を配置する
事業を成功させるには、適材適所の人材配置が必須です。新規事業に求められるスキルや経験を持つメンバーを選びましょう。リーダーには、決断力や柔軟性を備えた人をしっかりと効果的です。
また、既存の従業員のスキルを活かす方法を検討することも重要です。 専門家を新たに採用する場合も、事業の方向性やビジョンに共感できる人材を選ぶことで、チーム全体のモチベーションを高めるあります。
4.システム化思考を持っている
新規事業を成功させるには、効率化と再現性の確保も重要です。業務プロセスをシステム化することで、作業効率が上がり、同じ品質の成果を繰り返し得ることが可能になります。
例えば、顧客管理にCRMツールを活用したり、マーケティング活動を自動化するツールを導入したりすることで、大幅な時間とコストの削減が期待できるでしょう。
5.検証と改善を迅速に行う
新規事業は一度計画しただけではうまくいきません。PDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)を回しながら、柔軟に事業を調整していく必要があります。
顧客の対応を早期に確認し、必要な変更をスピーディーに行うことで、競争優位性を維持できます。新しい商品を少量でテスト販売し、顧客のフィードバックを元に改善するといった方法も考えられるでしょう。
新規事業の立ち上げのステップについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
新規事業のさまざまな形と特徴
新規事業には多様な形態があり、それぞれの特徴や成功のポイントが異なります。
・スタートアップ
・小規模ビジネス
・ソーシャルビジネス
・オンラインビジネス
・コンサルティングビジネス
・共同事業(ジョイントベンチャー)
これらの形態から、自社のリソースや目的に合った選択をすることが重要です。
スタートアップ
スタートアップは、革新的なアイデアで新しい市場の切り口を開くビジネスモデルです。
主に技術サービスをベースにし、当面で急成長を目指します。 成功のカギは「市場の課題を解決するアイデア」と「迅速な実行力」です。たとえば、UberやAirbnbのような企業は、誰もの市場に革命を起こし、新しい顧客体験を提供しました。
小規模ビジネス
小規模ビジネスは、比較的資本が少なく始められる新規事業の形態です。
飲食店や個人経営のショップなどの代表的な例で、地域密着型の運営が特徴です。顧客との距離が近く、柔軟な対応がしやすい反面、大規模展開には限界がある場合もあります。少ない資源を活かす工夫が求められるでしょう。
ソーシャルビジネス
ソーシャルビジネスは、社会課題の解決を目的とした新規事業です。
環境保護や地域活性化、教育支援など、利益だけでなく社会的な価値を重視します。例えば、リサイクル材料を活用した製品や、展望地域への支援を目的としたプロジェクトなどが挙げられます。持続可能性が成功のポイントです。
オンラインビジネス
オンラインビジネスは、インターネットを活用した現代的な新規事業形態です。
Eコマースやデジタルコンテンツ、オンライン教育など、多様な形態で展開されています。初期投資が比較的少なく、世界中を対象にできるのが魅力です。SEOやデジタル広告を継続した集客が成功の鍵といえるでしょう。
近年は動画配信をしながら物販をするライブコマースが話題です。ライブコマースについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
ライブコマースとは?魅力やメリットとライブコマース活用事例紹介
コンサルティングビジネス
コンサルティングビジネスは、専門知識や経験を提供する形態です。
経営やマーケティング、IT、法務など、多岐にわたる分野で展開されています。たとえば、新規事業を立ち上げる企業に対して、市場調査や戦略立案を支援する役割を担っています。
共同事業(ジョイントベンチャー)
共同事業は、複数の企業が協力して新規事業を展開する形態です。
異なる強みを持つ企業同士が連携し、リスクを分散しながら相乗効果を目指します。 逆に、自動車メーカーがIT企業と提携して、自動運転技術を開発するケースなどが挙げられます。
まとめ
新規事業を立ち上げることは、企業の成長を加速させ、新たな市場での競争力を高める重要な戦略です。今回の記事では、これらの具体的な手順や成功のためのポイントを分かりやすく解説しました。これらを実践することで、新規事業の計画が確実に前進し、成功への道筋が見えてくるはずです。ぜひこの記事を参考に、新たな挑戦を形にしてみてください。
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