ファンマーケティングで成功した事例を知りたいと考える方もいるでしょう。効果的に自社の施策に取り入れるには、成功事例からポイントを把握するのがおすすめです。

ファンマーケティングが注目される理由や、メリット・デメリットについても詳しく解説するので、参考にしてみてください。

ファンマーケティングを意識したい、ファンを増やしたいとお考えの企業担当者必見です!

目次

ファンマーケティングとは?

ファンマーケティングのイラスト

ファンマーケティングとは、企業の商品に愛着を持って利用してくれる顧客=「ファン」との関係性を構築しながら、長期的に売り上げを伸ばすことを目標とするマーケティング手法です。

自社ブランドや商品について好意的な印象を抱いてくれている顧客であるファンとの交流を活発にし、さらに自社商品に愛着を持ってもらうことを目指します。

自社のファンを育てるためには、信頼性のある製品やサービスを提供し、コミュニケーションを大切にすることが重要です。

例と主な手段は以下のものがあります。

  • ファンミーティングやイベントでファンと企業やファン同士が直接交流を持てる
  • サンプリング体験会やキャンペーンなどを通してファンにクチコミを発信してもらえる
  • ライブ配信を活用しファンと直接的なコミュニケーションを楽しみながら商品を販売できる
  • 開発段階(市場に出す前)の商品などにファンからアイデアや意見を収集できる

ファンマーケティングが注目される理由

近年、ファンマーケティングが注目されている理由は、インターネットの普及により、消費者が購入前に口コミや商品情報を簡単に比較検討できるようになったことにあります。顧客は、一度商品やサービスを選んでも他社に乗り換えることが容易になったため、企業はいかに自社のファンを作り、顧客生涯価値(LTV)を高められるかがカギとなっています。

関連記事:わかさ生活に学ぶ!LTV(顧客生涯価値)を左右する顧客との関係づくり

ファンマーケティングは、企業が顧客との関係を強化し、ブランドロイヤルティを高めるための重要な施策です。本記事では、さまざまな業界の企業が実践するファンマーケティングの成功事例を紹介します。

【飲食業界】ファンマーケティング成功術

【スターバックス】リピーターを生む会員プログラムとユーザー参加型企画

スターバックスは、会員制プログラム「Starbucks Rewards」を通じてファンとの関係を強化しています。ポイント制度を活用し、リピーターを増やすだけでなく、アプリを通じたパーソナライズドなクーポン配布や、限定商品の提供によって特別感を演出。さらに、顧客のアイデアを取り入れる「My Starbucks Idea」では、ユーザーの声を商品開発に活かし、ファンのエンゲージメントを高めています。

【ヤッホーブルーイング】イベントとSNSでファンと共にブランドを育てる

クラフトビールメーカーのヤッホーブルーイングは、ファンコミュニティ「よなよなエールの超宴」を開催し、ビール愛好者との直接的なつながりを強化。イベントでは、ビール造りの裏側を知れる体験や、ファン同士の交流が生まれ、ブランドの価値をより深く伝える機会となっています。また、SNSを活用し、ファンの投稿をシェアすることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を積極的に活用しています。

関連記事:UGCとは?企業とユーザーの信頼性を作り上げるコツ

【アサヒビール】消費者の声を反映した商品開発と会員制サービス

アサヒビールは、オンラインとオフラインの融合を意識したファンマーケティングを展開。会員制の「アサヒWebサービス」では、限定イベントや試飲会への招待を通じて、熱心なファンとの関係を構築。また、「アサヒスーパードライ」のリニューアル時には、消費者参加型のキャンペーンを実施し、ユーザーの声を取り入れる形で商品改良を行いました。

【丸亀製麺】SNSとリアルイベントを活用したエンゲージメント強化

丸亀製麺は、「打ち立て・できたて」にこだわった店舗体験と、SNSを活用したファンエンゲージメント施策を展開。特にTwitterでのキャンペーンが話題となり、ユーザー参加型の投稿が拡散されることでブランドの認知を拡大しています。また、定期的に新メニューの試食イベントを開催し、ファンとの直接的なコミュニケーションを大切にしています。

【スープストック東京】ファン投票によるメニュー開発と定期購入プログラム

スープストック東京は、「食を通じた体験価値」にフォーカスしたファンマーケティングを実施。「スープ総選挙」では、ファンの投票によって期間限定の復活メニューを決定し、顧客の参加意識を高めています。また、会員制プログラム「スープのある暮らし」では、定期的に商品を届けることで、ブランドとのつながりを深めています。

【小売・ライフスタイル業界】ファンマーケティング成功術

【パタゴニア】環境活動と連携したサステナブルなファンマーケティング

パタゴニアは、環境保護活動を軸にしたブランディングを展開し、熱心なファンを獲得。中古品の買い取り・再販プログラム「Worn Wear」では、サステナブルな消費を推奨し、ブランドの理念に共感するファンを増やしています。また、環境問題に関する啓発活動をSNSやイベントで発信し、顧客と共にブランド価値を作り上げる戦略を採用。

【無印良品】顧客と共創する商品開発とアプリを活用したロイヤルティ施策

無印良品は、ファンと共にブランドを育てる「くらしの良品研究所」を運営し、ユーザーからのフィードバックをもとに商品開発を進めています。また、「MUJI passport」アプリでは、購入履歴に基づいたおすすめ商品の提案や、レビュー機能を通じたコミュニティ形成を促進。リアル店舗とデジタルの融合によるファンマーケティングを強化しています。

【ユニ・チャーム】ペットオーナー向けコミュニティと参加型キャンペーン

ユニ・チャームは、ペットケアブランド「デオシート」や「銀のスプーン」を通じたファンマーケティングを実施。特にペットオーナー向けのSNSコミュニティを活用し、飼い主同士の交流を促進。また、無料サンプル配布や、ユーザー参加型のキャンペーンを通じて、ブランドへの信頼と親しみを醸成しています。

関連記事:ファンコミュニティとは?メリットや注意点・運営のポイントを解説

【ワークマン】ユーザーの声を活かした商品開発とアンバサダー制度

ワークマンは、顧客のリアルな声を反映した商品開発が特徴。公式アンバサダー制度「ワークマン女子」や、一般ユーザーによる商品レビュー投稿を活用し、実際の使用感をもとに商品改良を実施。また、YouTubeやSNSでの情報発信を強化し、消費者の声をダイレクトに取り入れるマーケティングを展開。

【カインズ】DIY愛好者向けのワークショップとオンラインコミュニティ

カインズは、DIY愛好者をターゲットにしたファンマーケティングを推進。会員向けのワークショップや「CAINZ DIY Square」を展開し、顧客とブランドのつながりを強化。さらに、コミュニティアプリ「カインズDIY」では、ユーザー同士のアイデア共有が活発に行われ、ブランドの価値向上につながっています。

エンタメ・キャラクター業界のファンマーケティング事例

【サンリオ】ファン参加型イベントとキャラクター人気投票

サンリオは、キャラクターを活用したファン参加型イベントを多数開催。特に「サンリオキャラクター大賞」は、ファンが投票を通じてキャラクターの順位を決める仕組みで、エンゲージメントを高めています。また、グッズ購入者限定のファンクラブや、コラボ企画を通じて新規ファンの獲得にも成功。

ウェビナビが調査!ファンマーケティングの成功事例

ここからは、ウェビナビが取材してきた、ファンマーケティングの成功事例とその成功ポイントをご紹介します。

1. 井上真珠店

インフルエンサーとのコラボとストーリー性で、商品を短時間で完売させた事例

愛媛の名産、宇和島真珠を使ったアクセサリーを販売する老舗の井上真珠店。40代~50代女性のファンが多いYouTuberの「ミランダかあちゃん」とコラボし、オリジナルアクセサリーをライブコマースで販売し、短時間で完売させました。

井上真珠店のもともとのファン、そしてコラボしたファッションインフルエンサーのファンを巻き込み、コラボネックレスという新たな商品を通じてさらに熱量を持ったファンの育成にもつながりました。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

井上真珠のライブコマース

すぐに完売した真珠商品!商品販売の秘訣とは?

2. fracora

ライブコマースとファン育成で新規顧客獲得と売上向上を実現した事例

美容化粧品を扱う「fracora(フラコラ)」では、商品やサービスが生産者から消費者の元へ届くまでの経路や媒体である「マーケティングチャネル」の一つとしてライブコマースを効果的に活用。

視聴者が知識や役に立つ情報を得られるような知識を得て学びを得られるような見ごたえのある番組作りを意識し、商品販売だけではないライブコマースを目指します。

シナリオにとらわれず、友達と会話するようなコミュニケーションを心がけることにより、「商品購入を考えていなくてもライブコマースを視聴したい」と言うファンが増えたそうです。ファンには、fracoraの商品について勉強会を開催したり、商品の愛用者にPR大使として応援してもらったりと、さらにfracoraの輪を広げ、もっともっと商品に愛着を持ってもらえるような工夫をしているとのこと。これは、ファンマーケティングのメリットである新規顧客の獲得や売り上げの向上につながっているのではないでしょうか?

fracoraのライブコマースについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

情報発信とコミュニケーションでファンを増やすマーケティング

3. ファイテンショップ イオンモール鶴見緑地店

ライバーとのコラボ配信で、実店舗への来店を促進した事例

健康関連製品を製造、販売しているファイテン株式会社の「ファイテンショップ イオンモール鶴見緑地店」では、ライバーの「あおい」とライブコマースアプリ「CHANCE!」にて、コラボライブ配信を行っています。あおいさんは、もともと別のメディアで配信を行うライバーでしたが、あおいさんのファン(リスナー)も巻き込み、ファイテンショップとのコラボライブを楽しんでいます。

あるとき、あおいさんのファンがファイテンの商品に興味を持ち、実店舗に訪れるというイベントが実施されました。ライブ配信を通じてファイテンの商品を知るうちに、実際に店舗に行って体感してみたくなったというファンの声から実現したそうです・

これは、あおいさんのファンが「ファイテンショップのファン」という可能性を秘めていると考えられます。ファンマーケティングの特徴であるファンが交流できる場を提供したことと、あおいさんとファイテンショップが共に作り上げる「共創」をテーマとしたコラボ配信を行った結果なのではないでしょうか。まさに、ファンマーケティングのメリットである、「新規顧客の獲得」成功のステップに向かっている事例と言えるでしょう。

ファイテンショップ訪問をはじめ、あおいさんのコラボライバーとしての活動をまとめた記事は以下です。

企業と共創するコラボライバーの活動内容って?新しいカタチの秘訣

企業と共創するコラボライバーの活動内容って?新しいカタチの秘訣

ファンマーケティングのメリット・デメリット

ここからは、ファンマーケティングにはどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。効果的に成果を出せるよう、確認しておきましょう。

ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングのメリットは主に以下の3つです。

  • 売上増加
  • 新規顧客の増加
  • 顧客ニーズの収集強化

熱量の高いファンを増やすことにより、リピーターが増え、売上の向上につながります。また、ファンは自分が良いと思ったものを口コミで広げてくれる傾向があるため、ファン経由で新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

ファンとの関係性が深まり、コミュニケーションの場が多くあれば、ユーザーの声を取得しやすくなります。「もっとよい商品を作ってほしい」「こんな商品が欲しい」など、ファンは顧客としての声を企業にあげてくれるようになるでしょう。

ファンマーケティングのデメリット

ファンマーケティングは、ファン育成に時間や人的リソースがかかるというデメリットもあります。

ファンを得るためにはSNSなどで情報発信をコツコツ続けなくてはならず、そのための人員や時間が必要不可欠です。短期的な成果が得られにくいため、これでよいのだろうか?と焦ったり不安になったり、モチベーションを維持するのが大変になったりするでしょう。

焦らずに商品の良さを発信し、一人一人のファンを大切にして関係性を築き上げていければ、おのずと結果はついてくるでしょう。

ファンマーケティング成功のポイントとは?

ウェビナビの独自調査から見えてきたファンマーケティングのポイントは以下の3つです。

  • コミュニケーションを密にする
  • ファンと共に新しい価値を生み出す
  • ファン同士がコミュニケーションを取れる横のつながりの場を作る

ファンマーケティング成功のコツは、ファンとの関係性を築き上げること。顧客であるファンのニーズを把握し、ファンと企業が一緒になって共に新しい価値を生み出す場を作ることがポイントです。さらに、企業とファンだけでなく、ファン同士が交流できる場を作ることも大切です。イベントやキャンペーンを活用し、「顧客」ではなく「ファンのコミュニティ」を作っていくのもファンマーケティング成功のコツだと考えます。

まとめ

ファンマーケティングとは何か、メリットやデメリットを解説し、企業の事例から成功のポイントをまとめました。

CHANCE!では、ライブ配信を通じた共創やファンづくりのプラットフォームを運営しています。

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