互いの事業の成長やイノベーション、ブランド認知の拡大など、様々な効果を期待できる複数企業のコラボレーション事業。遊び心あふれる雑貨が魅力的な「AWESOME STORE(オーサムストア)」では、他企業や異業種とのコラボレーションを取り入れる試みも行っています。そしてそのAWESOME STOREに関する情報配信にはライブ配信も活用しています。
今回は、AWESOME STOREを運営する「オーサム株式会社」専務取締役の堀口周作さんと企画開発部の高橋猛志さんに、色々な場所や社内社外問わずに色々な方とコラボレーションしたライブ配信のお話を伺いました。
オーサムの発想を広げるライブ配信
オーサム株式会社が運営するAWESOME STORE(オーサムストア)と言えば、海外にあるスーパーマーケットのような雰囲気を感じる雑貨屋さん。おしゃれな店内と遊び心あふれるユニークでリーズナブルな雑貨が人気です。
日常で使える生活用品やシーズンイベントを彩るアイテムだけではなく、アウトドアやペットのための商品も幅広く扱っています。その商品はどれもユニークなデザインで、見ているだけでも楽しくなるような物ばかりです。
オススメ商品やアイテムの使い方は、リアル店舗で体験してもらうだけではなく、「AWESOME STORE TOKYO」の2Fにある「ASスタジオ」、そして全国各地のAWESOME STORE店舗からもライブ配信を通してお届けしています。
AWESOME STORE(オーサムストア)のライブ配信は、AWESOME STOREの魅力や情報を多くの人に発信しもっとファンと交流ができるように、とスタートしました。
堀口さん:雑貨屋のライブ配信って少なかったので、逆にチャンスだと思ったんです。どういうコンテンツにしたらいいのか、どんなライブ配信だと喜んでもらえるのかを自分たちで考えながらチャレンジできました。
ライブ配信といえば、洋服コーディネートや商品紹介などしているアパレルのライブ配信、メイクをしながら化粧品の使用方法を説明するライバーなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし雑貨を扱うAWSOME STOREのライブ配信は一味違い、商品の知識がある店舗スタッフがおすすめ商品の情報を提供したり、AWSOME STOREの商品を活かして他企業の方とコラボ配信を行ったりと、様々な配信に取り組まれています。
高橋さん:一つの部署で配信せずに、いろんな部署をまたいで部活動とかサークルのように配信しているんです。まずはそれぞれが楽しんでやってます。他部署をまたぐことでコミュニケーションが取れ、これまで見えてこなかったことが見えてきたりもするんです。
AWESOME STOREのライブ配信では専門の部署などを置かずに、部署ごと、店舗ごとのメンバーが協力して企画を考え、配信を行うのだそうです。ライブ配信をそれぞれの視点から取り組むことで、新たな発想が生まれてきます。AWESOME STOREのライブ配信者同士で刺激を受け合うこともあるかもしれませんね。
AWESOME STOREとライブコマース
AWESOME STOREで行われているモノ・コトを紹介し商品の販売につなげるライブ配信は、ライブコマースに分類されます。このライブコマースが商品の売上にどれだけ貢献しているのかという点についても、お二人の考えをお伺いしました。
堀口さん:ライブ配信の中で即購入につながるかどうか、という時間軸にはこだわっていません。発信したものが広く認知されたらいいのかなと思っています。なので、今後ライブコマースへの取り組みを強化したとしても、商品の購入につながる場所や購入までの時間は、幅広く考えていくつもりです。
AWESOME STOREの魅力の一つは『リーズナブルな価格帯の多種多様な商品を幅広く取り扱っている』こと。こういった店舗がライブコマースをする場合、数多くの商品の中からいくつかの商品をピックアップし、その日のおすすめとしてライブコマース内で販売します。
しかしAWESOME STOREの実店舗にご来店されるお客様は、たくさんの商品の中からその時に興味・関心のある商品を選んで購入します。また興味が無かった商品でも、リーズナブルな価格を見て「これもついでに……」というお客様も多いでしょう。そんなAWESOME STOREだからこそ、ライブコマースだけで大きな売り上げに結び付けようということは、あえて考えていないのです。
最近注目が集まっているライブコマースですが、どのような商品やどのような店舗にも適しているツールというわけではありません。ライブコマースに取り組む場合には、自店舗や商品がライブ配信に向いているのか、ライブコマースを活用してどうなりたいのかを検討した上で、取り組むことが大切です。
商品販売のターゲット設定・商品を魅力的に伝えるヒントとしてこちらのコラムも参考にしてください⇩画像をクリック
コラボレーションで広がる事業の可能性
AWESOME STOREのライブ配信では、オーサム株式会社の社員やAWESOME STORE店舗スタッフの配信だけでなく、様々な方とのコラボレーションを行っています。コラボレーションをすることにより、事業の可能性を広げることが出来るからです。
例えば、期間限定でアニメのキャラクターや人気アイドルグループとのコラボレーションした商品を、街中で見かけることもあるのではないでしょうか。それと同じように、企業同士がお互いの事業を飛躍的に拡大させるために、コラボレーションが行われる事例も年々増えてきています。
では、AWESOME STOREは、他社とコラボレーションを実施することでどのように事業の可能性を広げてきたのでしょうか。
1.お互いの長所を活かしたコラボレーション
まず一例として吉本興業とのコラボレーションを取り上げます。人気芸人も多数所属する吉本興業とのコラボレーションでは、「よしもと芸人の商品化への道」というタイトルの通り、吉本興業所属の芸人さんのアイデアをヒントにAWESOME STOREの新商品を開発しようという企画でライブ配信を実施しました。
堀口さん:ライブ配信の面白い企画を考えたいと思っていた時に、吉本芸人さんとAWESOME STOREのコラボ商品を作れないかという話をいただいたんです。AWESOME STOREとしても新商品を作りたいという想いもあったので、ライブ配信を通じて新商品を作るという吉本興業様とのコラボレーションしたライブ配信の企画が生まれました。
芸人さんがAWESOME STOREの新商品のアイデアを生み出す。それだけではエンターテイメントと商品開発がどう組み合わされるのか皆目見当がつきませんよね。ですが芸人さんは、日常的にコントや漫才のネタ作りなどを通して、クリエイティブなことを行なっているのです。
そこに着目して、芸人さんが持つエンターテインメント性の高い発想をAWESOME STOREの商品づくりにも活かしたということです。こうして、エンターテイメント・情報発信のプロである吉本興業と商品づくりのプロであるAWESOME STOREのコラボレーションが実現しました。お互いの得意分野を活かすことで、自社だけではできないことを実現できるのも、コラボレーションの魅力ですよね。
■よしもと芸人の商品化への道 LPページ:https://www.awesomestore.jp/store/pages/mudazukuri.aspx
2.互いの強みを最大化するコラボレーション
また吉本興業の芸人とのコラボ企画の他に、AWESOME STORE×「無駄づくり発明家」の藤原麻里菜さんのコラボレーションを行っています。「オーサムストアと無駄づくり」というライブ配信です。
藤原さんと言えば、頭の中に浮かんだ不必要な物を、ユニークなアイデアと斬新な発想で作り出してしまうクリエイター。藤原さんが作り出す日常生活では必ずしも必要ではないけれど、くすっと笑ってしまう『オモシロイ』アイテムに注目が集まっています。
堀口さん:藤原さんが作品を生み出す過程で、どんな目線でその商品を作り出したのか、作るまでにどんな気持ちで商品を選んでいるのかという発想に興味がわいたんです。藤原さんのYouTubeとは違う目線の映像を発信できれば面白いライブ配信ができると思ったんです。
AWESOME STOREの商品には、遊び心がこれでもかと詰まったアイテムが多数あります。そんなAWESOME STOREの商品に、藤原さんの斬新な発想やアイデアを掛け合わせた面白い無駄づくりをするという企画です。
AWESOME STOREと藤原さんのコラボレーションは、「発想」というお互いの強みを掛け合わせることで、さらにユニークな発想を生み出した実例です。自社の強みをさらに伸ばし、可能性を拡大させていくことも、コラボレーションすることで実現できるのです。
■オーサムストアと無駄づくり LPページ:https://www.awesomestore.jp/store/pages/mudazukuri.aspx
コラボレーションを支えるオーサムのスタッフ
AWESOME STOREでは、様々なコラボレーションに取り組んでいますが、アイデア溢れるライブ配信の企画を実現できているのは、オーサム株式会社の社員やAWESOME STOREの店舗スタッフの力で支えられているからではないでしょうか。日々の情報発信で作ってきたお客様とのつながりがあるからこそ、コラボレーションのライブ配信にも注目が集まります。
堀口さん:自分たちが思う以上に、現場のスタッフの能力は高いです。最初はライブ配信って抵抗あるのかと思っていました。実際はデジタルネイティブ世代のスタッフも多くて、現場のスタッフのほうがライブ配信が上手なんです。なので、自分たちが可能性を狭めないように気を付けなければと感じたんです。
ライブ配信に様々なスタッフが関わることで、発想の幅を広げるだけでなく、AWESOME STOREに関わるスタッフ自身の可能性も広げているのかもしれません。
しかし、突然ライブ配信をやってみてと依頼されても、荷が重いと戸惑ってしまう可能性もあります。どうすれば、社員や店舗のスタッフが挑戦しやすいライブ配信となるのでしょうか。
高橋さん:ライブ配信と言っても、接客だと思っています。自分の好きなものを相手に伝える、ということに変わりはありません。自分たちが楽しみながら配信することが、ライブ配信でそのまま伝わりますよね。やってみようかなと思ったスタッフがどんどん挑戦できることが大事だと思っています。
全国各地に店舗を構えるAWESOME STOREには、様々なスタッフが集まっています。ライブ配信を仕事の一環としてやってもらうのではなく、自らライブ配信をやってみたい、楽しみと思いながら取り組めることが大切なのですね。そのためには、それぞれの得意なことや個人の才能を活かすチーム作りも欠かせません。
堀口さん:新しいことを始めたいというときに応えてくれるメンバーがいるんです。その時に挑戦したいことに対して、それぞれのメンバーがやりたいことやできることを考えてます。そのたびに、課題が出てきて、それを乗り越えて、この繰り返しです。
オーサム株式会社やAWESOME STOREの店舗では、それぞれが考え行動できるチーム作りが日頃から成されています。お二人のお話からは、オーサム株式会社の社員やAWESOME STOREのスタッフに対しての強い信頼も感じ取れました。
これからのオーサムのコラボレーション
強いチームワークで可能性を広げ続けるAWESOME STOREですが、コラボレーションを実現するまでには様々な苦労があったそうです。実際、吉本興業とのコラボレーションは構想段階で半年近く時間を費やしたとか。そんな苦労を重ねたからこそ、面白いコラボレーション企画が誕生しているのです。
AWESOME STOREを展開するオーサム株式会社の堀口さん、高橋さんに今後はどんなコラボレーションに取り組みたいのかを伺いました。
堀口さん:次はこうでないといけないということは、あえて考えていないです。次に何をやったら面白いかなということを考えてます。突拍子がないことでも、面白そうだったり共感があったりすれば、やってみていいのではないかと。そこからどんなことができるのか考える事が大事かなと思っています。
高橋さん:この人と一緒にやりたいということがまず最初にあって、そのあとで、その人と何ができるのか企画を考えます。さらに根本では、自分たちが面白いと思えるかどうかを一番大事にしていますね。
最初に実現したいという目的があり、それを叶えるためにコラボレーションできる相手を探す、というわけではありません。オーサム株式会社のメンバーがこの人・企業と何かしたいと思うかどうかが根本にあります。一緒にやりたいという思いがあるからこそ、この人・企業とできる面白いことを考えようというモチベーションにもつながります。
メンバーが面白いと思えるかどうか、お客様が共感できるかどうか。要は自分たちがやりたいと思えることが、コラボレーションの企画には重要なのです。そのような価値観があるからこそ、AWESOME STOREでは面白いコラボレーション企画が生まれているのではないでしょうか。
堀口さん:「雑貨」ってサブカルチャーで必需品ではないかもしれないですが、そんな「雑貨」というものを伝えていきたいんです。同じような商材の企業とも、競合ではなく共存して、お互いに貢献できることがあると思っています。
高橋さん:オーサム株式会社とコラボレーションしたいととりあえず言っていただけるようになりたいです。そこからどんな面白いことができるのかを一緒に考えていきたいですね。
先ほども述べましたが、自分たちが面白い、やりたいと思えるものを、0から考え作り出していくのがオーサム株式会社のスタイル。それはAWESOME STOREの遊び心あふれるユニークな雑貨の数々にも現れているようにも感じます。そんなオーサム株式会社とコラボレーションして生まれたものは、きっと面白いものになるでしょう。
堀口さん:自分たちができる可能性をもっと広げていきたいんです。AWESOME STOREやオーサム株式会社ができることで、世の中にAWESOME(スゴい!)なモノ・コトをもっと発信していきたいんです。あそこと何かやったら成長できるんじゃないかと思ってもらえる企業に成長していきたいですね。
まとめ
多くの企業が取り組んでいる、他企業とのコラボレーション事業。ユニークなアイデアと発想から生まれた雑貨が魅力のAWESOME STOREでも、コラボレーションを通して面白い企画や発想、新商品や活用アイデア、ライブ配信を見たお客様や他の企業との繋がりなど、新たな関係が生まれています。
AWESOME STOREのコラボレーションを支えるオーサム株式会社のメンバーと一緒に考えれば、どんな企業や業種とのコラボレーションも面白い企画として実現できそうですね。オーサム株式会社の作り出す「AWESOME」にこれからも目が離せません。
■オーサムストア:https://www.awesomestore.jp/
■オーサム株式会社:https://www.awesome-as.jp/