世界的にも市場規模が拡大傾向にある『インフルエンサーマーケティング』。この記事ではインフルエンサーマーケティングの基礎知識や向いている業界、SNSごとの特徴、成功事例、効果を出すための注意点などを紹介します。
目次
今さら人に聞けない!?インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーとは、InstagramやTwitter、YouTube、TikTokなどのSNSで多くのファン(フォロワー)を抱え、SNS上で影響力を持つ人のことを指します。インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーを起用し、自社の製品やサービスを使用・体験してもらい、SNSでPRしてもらうマーケティング手法です。インフルエンサーマーケティングの主な目的には、製品やブランドの認知度アップや商品理解の促進、販売促進、イベント来場などさまざま。消費者との心理的な距離感が近いインフルエンサーに依頼することで、顧客目線に立った自然な発信が期待できます。
日本のインフルエンサーマーケティング市場規模は?
株式会社デジタルインファクトが2019年に行った国内市場調査によると、インフルエンサーマーケティングの市場規模は、2020年から2025年までの5年間でおよそ2倍になると予想されています。
<インフルエンサーマーケティング市場規模推移>
・2020年……317億円
・2022年……519億円
・2025年……723億円
また主なSNSごとの市場規模推移の予測は下記の通りです。日本国内においてとくに動画でのアプローチが存在感を増していくのではと考えられます。
<SNS別のインフルエンサーマーケティング市場規模推移>
中国のインフルエンサーマーケティング市場規模は?
中国ではインフルエンサーをKOL(Key Opinion Leader)と呼び、強い影響力を持っています。中国では国外のSNSが利用制限されるため、利用しているSNSは中国国内のSNSです。
人口14億人の中国では、SNSを利用する人数やインフルエンサー数も日本と比べてはるかに多く、インフルエンサーマーケティングも活発です。中国指数研究院が発表した「2021中国インフルエンサー新経済発展報告」によると、2020年のインフルエンサー経済市場規模は中国全体で1兆3000億人民元(約22兆円)とされ、圧倒的な規模を誇ります。
アメリカのインフルエンサーマーケティング市場規模は?
アメリカのインフルエンサー市場規模は年々拡大しています。アメリカの調査会社eMarketerによると、インフルエンサーマーケティングの市場規模は2021年に36億9000万ドル(約4000億円)とされ、2023年までには50億ドル(約7331億円)に達すると予想されています。
アメリカや中国ではインフルエンサーが自ら企業に売り込むことも一般的。報酬も日本より大きいと考えられ、今後さらに大きな市場が形成されることも考えられます。
インフルエンサーマーケティングのメリット
1.消費者に受け入れられやすい
SNS上でインフルエンサーと消費者にはすでにつながりがあり、消費者にとってインフルエンサーは身近に感じられる存在です。インフルエンサーの感性を活かしてコンテンツづくりをすることで、消費者目線での発信が可能になります。マスマーケティングに比べて広告感が少なく、消費者に受け入れられやすい点はインフルエンサーマーケティングの大きなメリットです。
2. ターゲティングがしやすい
コスメやグルメ、旅行など、インフルエンサーにはそれぞれ得意なジャンルがあり、そのジャンルへの関心が高いフォロワーを多く抱えています。そのため、年代やジャンルに応じたターゲティングがしやすく、狙いたいユーザー層にアプローチしやすい点もインフルエンサーマーケティングのメリットです。SNSの特性である拡散や口コミといった効果も期待でき、インフルエンサーの抱えるフォロワー以外にリーチすることもできます。
3.オンライン販売と相性がいい
自社URLの設置やSNSのショッピング機能を使うことで、オンライン販売へとスムーズに誘導することが可能です。投稿から商品への興味を持たせたまま遷移できるため、購入意欲を低下させず、商品購入につなげやすくなります。
4.データの取得がしやすい
SNSのツールで効果測定ができるため、リーチ数やエンゲージメント率、シェア数、いいね数、サイトへの遷移率など、ユーザーの反応を数値として取得できます。ただし、よい反応をしたユーザーすべてが購買につながるわけではないため、販売に関しての貢献度が計りにくい点は注意しましょう。
インフルエンサーマーケティングのデメリット
1.インフルエンサーの選定が結果に影響する
どのインフルエンサーに依頼するかによって、結果は大きく変わってきます。自社商品・サービスとインフルエンサーの親和性や、狙いたいターゲット層を多く抱えているかどうかはインフルエンサーマーケティングにとって重要です。また、単にフォロワー数が多いだけのインフルエンサーの起用はあまり得策ではありません。どのインフルエンサーに依頼するかは、過去の投稿から画像や動画、文章などのクオリティ、フォロワーからの反応などを見て、総合的に判断する必要があります。
2.炎上のリスクがある
ステマやモラルに欠けた投稿により炎上するリスクがあり、とくにSNSは拡散が早いため注意が必要です。
ステマ(ステルスマーケティング)とは、企業から報酬をもらっての宣伝でありながら、それを消費者に隠して宣伝を行うこと。例えば、『いかにも自分でいい商品を見つけました』といったようにフォロワーを欺いて紹介する行為です。ステマは企業やブランドに対する信用を失い、イメージダウンにつながります。例えば『#PR』といったタグをつけるなど、広告宣伝であることを明記することが必要です。
同時に、投稿内容にモラルや配慮が欠けていても炎上につながる可能性があります。悪意はなくても、人を不快にさせるような内容は炎上のきっかけに。インフルエンサーマーケティングはインフルエンサー、企業担当者とも、高いリテラシーを持つことが大切です。
インフルエンサーマーケティングに向いている業界とは?
1.コスメ・化粧品業界
とくに動画での相性がよく、使っている過程や使用前後を見せられる点は強みです。商品の特徴や使用感などをインフルエンサー自身の言葉で伝えることで、商品の魅力が伝わります。使用方法を説明しながらの投稿であれば、ユーザーへの商品理解も深まるでしょう。
憧れのインフルエンサーが使用する商品を『自分も使ってみたい』と感じさせることで、販売促進につなげることもできます。ファンデーションやアイシャドウといったコスメは色味も商品選びのポイントとなるため、比較もしやすくなる点もインフルエンサーマーケティングのメリットです。
2.アパレル業界
洋服やアクセサリーなどは写真映えしやすく、PRがしやすい点が特徴です。人気のインフルエンサーに依頼するケースも多いですが、自社商品を知り尽くした社員をインフルエンサーとして起用するケースも近年では多く見られます。
『あのインフルエンサーが使っていたのと同じ商品がほしい』『あのショップに行けば、あの人に会える』といったように、購買意欲を刺激したり、さらなるファン化に結びつけたりすることが可能です。
3.グルメ・食品業界
食に関する分野も画像や動画映えしやすく、インフルエンサーマーケティングに適しています。動画であれば、焼ける音や湯気が上がる様子、切った時の断面の様子など、臨場感を伝えられる点もインフルエンサーマーケティングのメリットです。お店の雰囲気やメニュー、盛り付け、スタッフの印象など、よりリアルな情報を発信できます。
近年では行きたいお店をInstagramなどSNSで探す人も多く、インスタ映えを意識したメニューを出すお店も多数。また、食材の調理例やインスタント食品のアレンジ例など、食品関連は企画の幅も広い点も特徴です。
4.旅行・観光業界
以前は観光地のWebサイトや雑誌が主流でしたが、現在では多くの人がSNSで情報を収集しています。美しい景色や建物、ご当地グルメ、アクティビティの様子など、写真や動画が映えやすく、インフルエンサーマーケティングとも好相性。旅館や観光地巡りの様子を動画で投稿するインフルエンサーもみられます。また、その地域に根付き、地域の特色をよく知るインフルエンサーのことをローカルインフルエンサーと呼び、コアな情報を自然体で発信できる存在として注目を集めています。
SNS別インフルエンサーマーケティングの特徴
1.Youtube(ユーチューブ)インフルエンサーマーケティング特徴
10〜30代を中心に、全世代において利用率の高いのが特徴です。
長尺動画の投稿も可能で、他のSNSと比べて情報量を多く盛り込めるのが強み。多機能商品や高価格帯の商品紹介にも適しています。小さな子どもにも馴染みがあるため子ども向け商品との相性もよく、動画を見た子どもの反応によって購入を検討できるというメリットがあります。チャンネル登録者だけでなく検索によって訪れるユーザーもいるため、比較検討段階のユーザーを取り込むことも可能。動画のなかに自社サイトへ誘導するボタンを設置することもできるため、購買への導線をスムーズにすることもできます。
2.Instagram(インスタグラム)インフルエンサーマーケティング特徴
10〜30代を中心に、男女問わず人気のInstagram。アパレルやコスメ、グルメ、旅行、インテリアといった『視覚的にアピールできる商品』との相性がよい傾向にあります。
Instagramはインフルエンサーマーケティングをサポートするさまざまな機能を実装している点も特徴です。『ショッピング機能』は、投稿から自社ECサイトへ誘導でき、スムーズに購入を促すことが可能です。PR投稿の場合は『ブランドとタイアップ』タグの設置を必須とし、ステマ対策にも対応。『ブランドコンテンツ広告』といった、インフルエンサーの投稿を企業が自社の広告として2次配信できる仕組みもあります。
3.Twitter(ツイッター)インフルエンサーマーケティング特徴
Twitterの主なユーザーは20〜40代。Twitterをインフルエンサーマーケティングに利用するメリットは、リツイートと呼ばれるシェア機能による『拡散性の高さ』です。Twitterはトレンドの変化が激しく、リアルタイム性にも優れているため、キャンペーン情報の拡散にも適しています。
リツイートにより、フォロワー以外への認知につなげることも可能。ハッシュタグやキーワード検索もできるため、検索で訪れるユーザーの獲得も見込めます。Twitterの文字数は最大140文字と短いため、機能性や商品の感想を細かく説明するというよりは、一瞬で伝わりやすい感覚的な投稿をするのに適しています。
より情報を盛り込みたい場合は最大4枚まで投稿できる画像をうまく組み合わせるのがおすすめ。『ツリー機能』で投稿を関連づけさせることもできるため、情報が多い場合は活用してみてもよいでしょう。
4.Facebook(フェイスブック)インフルエンサーマーケティング特徴
ユーザーの年齢層が30〜50代と比較的高く、ビジネス関係のつながりが多いことも特徴です。
現実でのつながりをSNSで再現しているようなイメージで、他のSNSと比べて拡散性は低め。一方で、本名での登録が基本のため信頼性が高く、つながりが深い点は大きなメリットです。信頼できる相手からの紹介であれば、ユーザーも受け入れやすくなります。海外ではアクティブユーザーが多いものの、日本では利用者数の伸び率が落ち着いてきていて、インフルエンサーが生まれにくいSNSとしても知られています。利用を検討する場合、ターゲットにしたいユーザーの母数自体が少ない可能性は考慮しておきましょう。
5.TikTok(ティックトック)インフルエンサーマーケティング特徴
フル画面の縦型動画やテンポのよいショートムービーが好まれ、10〜20代を中心に高い人気を誇ります。
拡散性が高く、レコメンド機能によってフォロワー以外にも動画が表示されるのも特徴です。ノリがよく、カジュアルな雰囲気のあるプラットフォームのため、ビジネス的な要素の強い投稿や購入を促すような売り込み的な投稿は好まれません。コミュニケーションを楽しみながら、自然体な投稿を目指す必要があります。
ユーザーが参加したくなるようなキャンペーンや特定のハッシュタグを付けて投稿するハッシュタグチャレンジなど、ユーザー参加型の施策が効果的です。ユーザー層が10〜20代中心のため、ターゲットはやや限定的になります。商品自体も高額なものより、若者でも購入しやすい価格帯の方が親和性が高いでしょう。
インフルエンサーマーケティングの成功事例
1.YouTube(ユーチューブ)インフルエンサーマーケティングの成功事例
チャンネル登録者数14.8万人、家電やメンズ小物、DIY、旅行、アウトドアなどのレビューやお役立ち情報を発信するマルチクリエイターののりごとーさん。ほどよいゆるさと簡潔でわかりやすい説明で視聴者に支持されています。
のりごとーさんは、2022年10月には花王ヘルシア緑茶タイアップ。ゆる登山をテーマにヘルシア緑茶をところどころで紹介しています。タイアップであることを始めに伝えたうえで、通常の投稿と変わらない自然体な姿が好印象。この動画の視聴回数は27.8万回と反響を呼びました。2021年2月には世界的に人気のバーベキューグリルメーカーWeberとタイアップし、「Weber Pulse 1000」をPR。準備段階から調理、食事シーンなど一連の流れのなかに商品の特徴を丁寧に解説しています。のりごとーさんの解説によって商品への好感度アップや商品理解の促進につながり、購買へ向けての関心を高めているインフルエンサーマーケティングです。
2.Instagram(インスタグラム)インフルエンサーマーケティングの成功事例
Instagram(インスタ)フォロワー数で41.8万人、モデルで2児のママでもある宮城舞さん。Instagram(インスタ)には家族との日常やファッションを中心に投稿しています。美容アイテムやベビー用品などさまざまなPR投稿が見られますが、どれも通常の投稿に自然に溶け込んでいるのが特徴です。
2020年には星野リゾートとのタイアップが行われ、施設やグルメ、サービスなど全6件(写真枚数40枚)にわたり投稿。フォロワーの『ここに行ってみたい』という気持ちを感化させるような、『ホテルの魅力』『ホテル周辺の観光地の魅力』が伝わる投稿となっている点に、宮城さんのスキルの高さを感じさせます。ターゲットはファミリー層と、宮城さんと同世代を中心とした大人とみられ、とくにお子さんと雪遊びをする様子にはコメントも多く寄せられました。ターゲットとインフルエンサーのマッチングがよく、フォロワーからも好感を持たれる投稿となったインフルエンサーマーケティングの事例です。
3.Twitter(ツイッター)インフルエンサーマーケティングの成功事例
料理研究家のリュウジさんは、フォロワー数237.2万人。手軽にできる『バズレシピ』が人気を呼び、主婦や一人暮らしの方からとくに支持されています。リュウジさんはこれまで複数の食品メーカーとのタイアップをしています。ヤマサ醤油とのタイアップでは、2022年4月〜2023年3月にかけて、同社の人気商品「これ!うまつゆ!!つゆ」を使った『これ!うま!! 12ヶ月 Twitterキャンペーン』を実施。2022年11月に投稿したレシピは、わずか2日間で1万件以上のいいねがつき、リツイートは1300件以上となるなど、反響を呼んでいます。利便性の高い調味料という商品と、リュウジさんのおいしく簡単という方向性。この商品とインフルエンサーの親和性の高さが成功に導いたインフルエンサーマーケティングの事例と言えます。
4.Facebook(フェイスブック)インフルエンサーマーケティングの成功事例
大塚製薬のポカリスエットFacebookはフォロワー18.7万人以上を抱える人気コンテンツ。スポーツの日やドライバーの日など、「●●の日」にちなんだ投稿やお役立ち情報、イベント関連の投稿が多く見られます。
おおむね2〜3日に1度のペースで投稿し、Facebook限定のプレゼントキャンペーンを実施するなど、積極的に運用しているのが印象的。更新頻度をあげることでタイムラインに埋もれにくくなります。大塚製薬はプロバスケットボールチーム・鹿児島レブナイズとパートナー契約を結んでいて、2022年9月の投稿では実際に選手が登場しています。『エリア活動 in鹿児島』と題し、温浴施設での取り組みの様子を投稿。スポーツドリンクとスポーツ選手という相性のよさもあり、とても爽やかな印象を受けます。
この投稿は、いいね数6780件、コメント19件、シェア37件という結果で、他の投稿と大きく差があるわけではありませんが、自社の取り組みを紹介しながら商品を上手くPRしているインフルエンサーマーケティングの事例と言えます。
5.TikTokインフルエンサーマーケティングの成功事例
メイベリン ニューヨークはTikTokで130万人のフォロワーを抱え、モデルや女優として活躍する莉子さんを起用したプロモーションを実施。これまでメイベリンでは『洗練された大人の女性』をターゲットにしてきましたが、若い女性層を取り込むため、同社の代表的な商品である「ボリューム エクスプレス ハイパーカール ウォータープルーフ N」をTikTokで紹介しています。
まつげを彼氏に見立て、頑張っても思い通りにならないというメッセージ性を持たせた『まつげ彼氏』という独特なテーマで動画を投稿。1日で4万8700件のいいねを獲得し、コメントは2907件、シェアは709件という反響を呼びました。さらに、ブランド認知度は80%増加、ブランド好感度は47.9%上昇とされています。10代女性を中心に高い人気を誇る莉子さんを起用することで、インフルエンサーマーケティングとしてターゲット層に的確にリーチできた結果と言えそうです。
インフルエンサーマーケティングで効果を出すための注意点
1.目的と目標を決めておく
自社商品の認知の向上やブランドイメージのアップ、集客数アップ、イベントへの来場者数増加など、目的を明確にしたうえで目標を立てることが大切です。目標を立てることで、それに合わせた企画やインフルエンサーの選定、コンテンツ制作ができ、より的確に効率よく進められます。SNSでの効果測定ができるため、ユーザーの反応を数値として確認できる点もインフルエンサーマーケティングの利点。施策の途中でも効果測定を行い、課題や修正点などを見つけて適宜改善することもポイントです。
2.自社のターゲットに合わせたSNSとインフルエンサーを選ぶ
それぞれのSNSの主なユーザー層や特性は異なるため、自社の商品・サービスのターゲットとマッチするSNSを選びましょう。また、インフルエンサーを選ぶ際には自社商品との関連性の深さも重要です。どのジャンルに強いインフルエンサーなのか、投稿に用いている商品の価格帯も確認しておきましょう。例えば、普段はプチプラのコスメを紹介しているインフルエンサーに、価格帯の高いコスメを紹介してもらうインフルエンサーマーケティングは違和感があります。自社商品の魅力を最大限に引き出してくれるかどうか、過去の投稿からしっかりリサーチしておくことが大切です。
3.インフルエンサーに裁量を持たせる
ユーザーはインフルエンサーの普段通りの雰囲気を求めています。過度な演出は売り込みと捉えられて逆効果に。起用するインフルエンサーの個性を活かした本音ベースの内容で、通常と同じトーンでの投稿が理想です。そのため、企業側がインフルエンサーをコントロールしすぎず、インフルエンサーにある程度の裁量を持たせることが大切。事前の打ち合わせなど丁寧に行い、インフルエンサーとの信頼関係を構築しておきましょう。
インフルエンサーマーケティングを外注する場合の会社選びのポイント
インフルエンサーマーケティングの実施には、ノウハウや時間的・人的なリソースが必要です。自社での実施経験がない場合、代理店に依頼することを視野に入れてもよいでしょう。はじめから1社に絞らず、数社から話を聞いたうえで検討するのがおすすめです。
1.代理店のタイプを知っておく
代理店には大きく、ディレクション型・事務所型・プラットフォーム型の3種類があります。予算目安や対応範囲など異なるため、自社に合わせて検討しましょう。
<ディレクション型の代理店>
専門のコンサルタントに企画からすべて依頼できます。初めてインフルエンサーマーケティングを実施する人におすすめ。対応範囲が広い分、費用は比較的高くなりやすい傾向にあります。
<事務所型の代理店>
事務所に所属するインフルエンサーから最適な人材をアサインし、施策を代行してくれます。費用は抑えやすいですが、事務所内のインフルエンサーしか選べないため、マッチングしにくい場合もあります。
<プラットフォーム型の代理店>
プラットフォームに登録されているインフルエンサーの中から、自社で選択して依頼が可能。案件に応じてインフルエンサーの公募をかけ、その中から紹介される場合もあります。費用は抑えられますがインフルエンサーの選定に時間がかかり、インフルエンサーマーケティングの知見がないと効果がうすい可能性も。
2.最適なキャスティングしてくれるかどうか
自社の商品やイメージに合ったキャスティングをしてくれるかどうかによって、インフルエンサーマーケティングの効果が大きく変わります。どんなインフルエンサーで、どのように施策を進めていくのか、丁寧に提案してくれる代理店でだと安心です。また、代理店によって得意とするSNSがあります。インフルエンサーマーケティングを行う上で、事前にWebサイトや資料請求で事例や実績を確認しておきましょう。
3.サポート内容と費用を確認する
サポートが充実しているかどうかも代理店選びの大事なポイントです。インフルエンサーのマネジメントや投稿の管理、効果測定、リスク管理など、どこまで行ってくれるかをチェックしましょう。施策の途中、期待する結果が出ていないときは、原因の分析と改善提案を積極的に行ってくれる代理店だと費用対効果を高められます。
インフルエンサーマーケティングにかかる費用は一概には言えませんが、代理店にどこまで依頼するか、起用するインフルエンサーのフォロワー数や知名度などによって変わってきます。ディレクション費用などが月額で発生する場合もあるので、どの作業にどれくらいの費用がかかるのか、見積もりで丁寧に明示してもらうことも大切です。他社と比較して高額すぎる、低額すぎる場合は注意しましょう。
インフルエンサー マーケティングのまとめ
インフルエンサーマーケティングは、単純にフォロワー数の多いインフルエンサーを起用すれば成功するというわけではありません。自社商品の特性や狙いたいターゲット層に合わせてSNSの選定やインフルエンサーの選定を行い、企画を考える必要があります。インフルエンサーマーケティングの注意点などを理解したうえで、より効果的な施策を目指しましょう。