目次
1.ブランディングとは?
ブランディングとは、わかりやすくいうと企業や個人の「強み」のことです。会社や商品、展開するサービスなど他のものと明確に差別化できるようにするための個性と言えるものです。例えば『カッコいい車ならこのメーカー』『おいしくて健康的な食事をするならここ!』というように、企業や商品によってイメージしやすい特徴はありませんか?
わかりやすく『ブランディング』されているのはハイブランドのバッグ。高級感、高品質、充実したアフターケア、ブランドロゴなど、その企業の強みが明確であると言えるでしょう。
ブランディングとは企業にとって大きな看板のようなもの。有名企業の確立されたブランディングが与える影響力は多大です。『大事な仕事の時に、この飲み物を飲むと元気がでる』『デザインもよく値段以上の価値がある生活用品が買える』など、ブランディングによってどの商品・企業を選ぶか決めているというケースもあるのではないでしょうか。
しかし、どんなに大きな企業でも、はじめは創設者のこんな会社にしたいという思いやこの商品を売りたい、こんなサービスが世の中にあるといいなという思いから始まったはずです。たった一人の思いに共感した何人かがファンとなり協力し始め、だんだんと大きな企業ブランドとして成長してきたのです。
ブランディングとは大企業だけが持てば良いものということではありません。ブランディングは個性と言えるものなので中小企業や個人でも強みとして持つことが大事です。特に中小企業においては、自社の特徴を打ち出すことでターゲットに認知してもらい、初めて顧客との接点が生まれるといったことも少なくありません。つまり、中小企業が生き残るためには、ブランディングは必要不可欠とも言えます。
ブランディングの重要性は、個人においても同様です。副業が解禁され、フリーランスとして活動している人も多くなり、これまで以上に新しい働き方が注目されています。個人の強みや個性が重要視される『個の時代』になっているからこそ、個人としてのブランディングに注目も集まっています。
SNSで影響力を持つ『インフルエンサー』は、個人のブランディングとして見ることができるいい例です。Instagramで人気のインスタグラマーとひとくちに言っても、コスメならこの人、ダイエットならこの人と、インフルエンサーにも強みや特徴があります。
その個性が強みであり、インフルエンサーにおけるブランディングだと思います。 SNSを通じて個人で発信力を強め、今までとは違う活動フィールドを構築している人も多くいます。ブランディングとは、大企業や有名なインフルエンサーだけのものではなく、中小企業や個人で活動してくフリーランスにも身近なことです。では、中小企業や個人で持つべきブランディングとはどのようなものなのか実際に見ていきましょう。
2.中小企業・個人のブランディングとは?
私は、Webライターと並行してライブ配信を行うライバーとして活動しています。クライアントに恵まれ、毎月一定数の記事のご依頼を頂いていますが、自分にしかできないこととは何があるだろうかとふと考えました。今回は、中小企業や個人の強みを探している人に向けて、ブランディングのヒントをまとめました。
フリーランスのライターを例にします。フリーランスのライターはクライアントありき。もしクライアントからの発注が止まってしまうと、そこで仕事がなくなってしまいます。新しいクライアントとお仕事できるよう常に営業し、複数の仕事を持っておくのも大事ですが、それだけではどうしても不安です。自分でも何か商品(強みや個性)があるほうがいいのではないかと思うようになりました。
人によって違いますが、ライターで言う商品とは、例えばコンテンツやイラストなどです。
ライターとして何が商品になるだろうか、どんな人に向けて商品を作ったらいいのだろうかと、モヤモヤしていた時、ブランディングをテーマにしたライブ配信イベントが行われることを知りました。何か悩んでいる時は、本を読んだりセミナーに参加したりと、新しい知識を取り入れるようにしている私。悩みを解決する糸口が見つかるかもしれないと思い、参加してみました。
自分や自分の商品が顧客に提供できる価値とは何なのか?ライブ視聴と自分で調べた内容を含め、ブランディングとは何かを考えました。
3.ブランディングが大事な理由
では、中小企業や個人のブランディングが大事なのはなぜでしょうか?中小企業や個人・フリーランスだからこそ、他の人と差別化を図り、個人の強みをアピールしていく必要があります。他の企業や他の人と同じような特徴しかなければ、大多数の一企業や一個人として埋もれてしまうからです。そこで大切なのがブランドを確立させることです。
例えば、どんな人でもイメージしやすい肩書きやバックグラウンドを前面に出すことで、あなただけの強みをアピールすることができます。例えばこのような肩書があるだけで強く興味を惹かれたり「見てみようかな」「知りたい」と思わせることができる強みのアピールになります。
- 管理栄養士の資格を持った料理研究家のレシピ
- 講師全員が海外在住歴10年以上の英会話スクール
それでは、私の強みとしてアピールするポイントは何か?を考えていきます。私の強みは未経験の主婦からフリーライターになったことです。その経験と学びを強みとして、ライターの仕事に活かすことができます。ライターとして作るもの(商品)はコンテンツ作成が主です。具体的にどんな商品かというと、ライターやフリーランスになりたい人に向けて、営業の仕方、記事の書き方などを分かりやすく有料記事にまとめたコンテンツです。
自分が提供できる価値をアピールし、役立つ情報だとお客様に実感してもらうことを目標にして商品を販売するでしょう。強みを活かすことはコンテンツ販売を商品とするフリーライターに限らず、生産者、セミナー講師、ヨガやダンスのインストラクターなど、どんな人にも当てはまることではないでしょうか。生産者が作る果物や加工品、ヨガのレッスン、専門の講師が提供するセミナーなど、『商品を買った人がどんな価値を得られるか』をアピールすることで、お客様も買いやすくなります。
個人のブランドを確立できれば、提供する商品の魅力をよりよく知ってもらうことができ、価値を感じてもらいやすくなるはずです。
4.自分のブランドを確立させる方法
ブランディングが大事な理由は、個人の強みを生かし他の人との差別化を図るという点でした。では、ブランドを確立させるために、具体的に何をしたらよいのでしょうか。まだ顧客に提供できる価値(商品・サービス)が決まっていない段階なら、自分の強みやアピールポイントを明確にする必要があります。
自分が強みとして提供できる価値を見つけたら、商品・サービスをよりよくするためにブラッシュアップしていきましょう。そのために、SNSや本で情報を集めたり、セミナーやライブ配信イベントに積極的に参加することも自分のブランディング力をつけるための方法のひとつです。
1.人生を振り返って、自分のストーリーを棚卸する
「貴社」「あなた」の強みはズバリ何でしょうか?個人なら、看護師の資格があるとか、簿記2級を持っているなど公的な資格や実績としてわかりやすい強みがある人はいいですが、なかなか見つからない人も多いのではないでしょうか。私もそうです。だからこそ、自分には何ができるかずっとモヤモヤしていました。
先日、ブランティングの専門家で「共感ブランディング®」を提唱されている松下一功さんがゲスト出演されていたライブコマースイベントのライブ配信を視聴した際に、『自分のこれまでのストーリーを整理していくと、ブランディングになる』というお話がありました。失敗でも成功でも、自分が経験してきたことは自分の強みになり、それがブランディングになるということです。自分の体験を棚卸していくと、アピールできる魅力や強みが見えてきます。
私も個人として実際に棚卸をやってみたのですが、簡単そうに見えて結構大変。私は現在35歳ですが、35年分の人生を振り返ろうとすると、結構なボリュームになります。35年間で、楽しいことも大変なことも色々ありました。良いことばかりでは自分の強みにはならないので、思い出したくもない失敗や恥ずかしい経験も、さらけ出す必要があります。
自分では、、人に言えるような話でもないな、と隠していた過去でも、それがインパクトのある強みとなり、ブランディングにつながることがあります。誰でも人にはよく見られたいし、いい格好したいものですが、カッコつけないほうがブランディングを確立できるかもしれません。失敗も成功もまるごと出していくことで、自分の強みが明確になるのではないかと思いました。
SNSでは、『どん底から這い上がった社長』や『ブラック企業勤務からフリーランスで成功したライター』など、マイナスからどのように成功したかをアピールして共感を得ている人もいます。『大成功しているように見える人でも、過去の失敗があったんだ』と思えると、その人のストーリーが見えて自分も頑張れるかもしれないと共感したくなりませんか?良いことだけではなく、失敗した経験も強みになるのだなと思いました。
私の場合、子役として芝居をやっていたこと、クラシックバレエをずっと続けていること、フリーランスになったことなど、なかなかできない経験をたくさんしてきました。 失敗も成功も、経験してきたこと全てがWeb ライターの仕事に生きていると感じます。例えば、演じる職業や環境を調べて役作りすることは、記事執筆におけるリサーチ力に役立っています。
人生や会社の棚卸として具体的に行うことは、振り返ってみて
- よかったこと
- 失敗したこと
- 学んできたこと
などを箇条書きにしていき、「自分はこういう人です」「自分の強みはこれです」とアピールできるポイントを探していくことです。芸能人はキャラクターを作りこんでいると聞いたことはありませんか?彼らのように深くキャラクターを作りこむ必要はありませんが、「私はこういう人です」とアピールできるキャッチコピーが見つかるといいですね。『自分の強みを見つけて、価値を提供する』ことを目標に、人生の棚卸しをやってみましょう。
2.自分では見えていない個性が強みになる
自分の強み・価値を見つけていく作業はとても大変。時間もかかるし、すぐには強みが見つからず、悩んでしまいます。そんな時は視点を変えてみてください。誰でも当たり前にやっていることだと思っていたけれど、他人から見れば自分の特徴や強みだと分かったという経験はありませんか?
例えば、私は一人でもずっとしゃべり続けられるのですが、『そんなに一人で話すことが思い浮かばないよ、すごいね』と言われたことがあります。『自分が当たり前にできることに対し、それがなかなか出来ない人もいます。そんな強みを見つけることで、ビジネスにつながる』というのを、本で読んだことがあります。自分の当たり前は人の当たり前ではないということを意識することも大事でしょう。
ブランディングの専門家松下さんが「ブランディングとは何か?」というライブ配信でのエピソードです。MC(司会者)の方は、「人のためになりたい」という思いが強く、良いものをたくさんの人に届けたいという気持ちで商品販売のサポートするお仕事をされ、テレビ通販も手がけていたそうです。このMCの方は、過去を振り返ってみると、 両親は仕事が忙しかったため、弟や妹の世話をするのが当たり前という環境に居たそう。その話を松下さんにしたところ、『人のお世話を当たり前にできる性格』が強みではないか?と言われてはっと気づいたそうです。『誰かのために何かをしてあげたい』という気持ちが強いのは、これまでの経験からくるものであり、そのお世話焼きな(お節介な)性格こそが自分の強みだと思うようになったと話していました。
私も自分のストーリーを棚卸したり、自分一人では気づけない強みを見つけるため、そのライブ配信の中で紹介のあった松下さんの有料のセミナーに出席しました。このセミナーは、出席者が自分の人生を振り返り、松下さんと共に強みを探していくという内容です。当日はひとりずつ自己紹介をする場面があり、私も今までの経歴や今の仕事についてお話しました。すると、5年も同じクライアントから継続発注を受けていることや、思い切ってフリーランスに飛び込んだことなど、誰でも挑戦できることではないのではないか?と言われました。思い切りの良さ、営業力など、今までの経験から学んだことが私の強みとなるポイントなのではと気づきました。人から指摘されてはじめて気づく自分の良いところって意外とあると思うので、外部の専門家の力を借りてに積極的に聞いてみるというのも一つの方法かもしれません。
5.ブランディングに関する情報からブランドを確立する方法
ブランドを確立させるためには他にも、ブランディングに関する情報を見ることもおすすめです。SNSや本、セミナーを活用するなど、実際に私がやった方法を紹介します。
1.インターネット・SNSでどんな人が活動しているか検索する
インターネットやSNSを活用し、自分と似た人がどんな活動をしているのか検索します。例えば私の場合、ライターの営業方法、文章術、フリーランスの働き方について発信している人を参考にします。また、ブランディングに関する発信をしている人もいいですね。色々な人の発信している情報を見て、自分が発信する内容の参考にしていきましょう。
2.本を読む
情報を集めるときは本が便利です。ネットで本を買うのは手軽なのですが、『なんとなくブランディングに関する本が欲しいな』と思うときは実際の書店に行くことをおすすめします。本のタイトルが分かっているときはネットショップで本を購入するには探す手間が省けて良いのですが、書店には、本との偶然な出会いがあります。
例えば、「ライブ配信」「フリーランス」「副業」など、自分が知りたいキーワードがタイトルに入っている本を手に取ってみます。パラパラとめくっていくうちに『これだ!』という本がきっと見つかるはずです。書店だけではなく地域の図書館に行ってみるのもおすすめです。
3.セミナー・ライブ配信イベントに積極的に参加する
今回私が松下さんのライブ配信やセミナーに参加したように、ブランディングに関するセミナーや配信イベントを探して積極的に参加してみましょう。検索するといろいろなセミナーが開催されています。自分ではなかなか気づけないポイントに気づけたり、プロの目線での意見を取り入れることもできます。今は、Zoom等を活用したオンラインセミナーも増えてきたため、どこに住んでいても参加しやすいのもメリットの1つです。
ライブコマースイベントで行われたセミナーでは、チャット欄で他の人の意見も聞くことができたのが良かったです。双方向コミュニケーションが気軽にできるのはライブコマースならではの良さです。ギフトアイテムを贈ったり、いいねをしたりとエンタメ性の高さも楽しめます。
6.商品やサービスを作って発信する
「自分のブランド」がイメージできたら、それを体現できる商品やサービスを作っていきましょう。商品・サービスができたらInstagramやTikTok、YouTubeなどを使ってどんどん発信していきましょう。どんなに素晴らしいものがあっても発信して知ってもらわなければ、ないのと同じです。臆せず、どんどん発信していきましょう。
InstagramやYoutubeと並行して、よりブランディングを際立たせ、直接視聴者とコミュニケーションを取れるライブコマースを活用してみるのも一つの方法です。ライブコマースはハードルが高いと思っていませんか?知っておくべきことを明確にし、きちんと準備して挑めば、お客様からダイレクトに反応をもらえたり、商品やサービスの魅力をダイレクトに伝えることができるのでチャンスを作りやすくなります。以下のコラムで詳しく解説されているので参考にしてみてください。
関連コラム:知っておくべき!失敗しないライブコマースのやり方 | ウェビナビ
まとめ:ブランディングでチャンスを得られる
ブランディングとは何か、中小企業や個人が自社・自分のブランドを確立するためにはどうしたらいいかをまとめました。顧客に与えられる価値を明確にすると、喜ばれる商品やサービスを提供できるようになります。そのために必要なことは、自社・自分の強みを深堀し、自己アピールできるものを見つけていくことです。
今回紹介したライブ配信でお話されていたブランディングの専門家松下一功さんは、「共感ブランディング®」を提唱され、大小問わず多数の企業のブランディングに携わられています。松下さんのようなブランディングのプロに相談することは、企業や個人のブランディングには非常に有効と感じましたので、ぜひオススメしたいです。
松下一功さんのブランディングについて、詳しくはこちらもご覧ください:https://ikko-ca.jp/