はじめに

ライターの山本です。私は普段からライブ配信についてのウェビナーやオンラインイベントに積極的に参加しています。
今回は、私がウェビナーやオンラインイベントの中で入手した、目からうろこな情報をシェアしていこうと思います。

今回のコラムは、特に以下のような方におすすめですよ。

・ライブコマースを始めたばかり、視聴者に届くライブ配信をしたい

・ライブコマースの売り上げを伸ばしたい

・ライブ配信をもっと盛り上げたい

・よりエンターテインメント性の高い配信を目指したい

いずれも、ライブ配信者なら目標にしていることですね。そして、このコラムを読めば、この目標を達成する手助けになるはずです。簡潔かつ明快に、役立つ情報をまとめていますので、ぜひご覧ください。

緊張感をシェアする

1つめのポイントは、ライブ配信ならではの緊張感をシェアすることです。

あるウェビナーにて、私は『ライブ配信の魅力とは、何だと思いますか?その他の動画コンテンツとの違いはありますか?』という質問をしたことがあります。

そのウェビナーの参加者の中には、普段から、ライブ配信だけでなく、テレビショッピングやYouTubeで活躍されている方もいました。様々なジャンルの動画コンテンツに関わっているからこそ、ライブ配信にしかない特有の魅力を理解しているのではと思ったのです。そして、期待通り参加者の一人がこんな風に答えてくれました。

『ライブ配信とその他の動画コンテンツの大きな違いは、視聴者のリアクションを肌で感じられることです。
ライブ配信では、コメントが届きます。直接、視聴者の意見が届くのは、ライブ配信にしかない面白さだと思います』

私はさらに踏み込んで、『どのあたりが面白いと思いますか?』と質問してみました。

『例えば、テレビやYouTubeでは“よくわからない”や“そこの部分もうちょっと詳しく”などのリアルタイムな視聴者からの意見を知ることはできません。でもライブ配信だと、バンバン質問が届く。
だから、ひとつのライブ配信を双方向で一緒に作ってる感じがして楽しいんですよ』

この時、私はハッと気付かされました。私がこんな風に質問しているのも、ライブ配信を一緒に作っていることに他ならないのだと。こうしてひとつのライブ配信を、共同で作り上げられるというのが、最大の魅力なんだと教えていただきました。

普段ライブ配信を見ていると、自分の話したいことばかりを、話している出演者をよく見かけます。
しかし、そんなライブ配信は必ずと言っていいほど盛り上がりに欠けています。それは、ライブ配信の最大の魅力である、一緒に作ることを放棄してしまっていたからだったんです。

逆に、盛り上がっているライブ配信は、積極的に視聴者のコメントを読んだり、共同で何かに取り組めるような企画を用意していたりします。ぜひ、ライブ配信に出演する際は、視聴者と一緒に配信を作る、ということを心掛けてみてください。ライブ配信が、いっそう盛り上がるものになるはずです。

それから私は、双方向のやりとりはお互いのチャンスを拡大してくれるという事も発見しました。例えば、今回のウェビナーの中で私は、自分の聞きたいことを尋ねて、ビジネスチャンスを得られました。同時に回答してくれた参加者も、このテーマについて深く考えるチャンスを得られています。さらには、この質問から新しいビジネスチャンスを得た他の視聴者もいることでしょう。

もう少し分かりやすい例えも出してみましょう。例えば、お魚屋さんのライブコマースがあったとします。
そこで私が、『賞味期限はいつまでですか?』と尋ねたとしましょう。するとお魚屋さんは、賞味期限について訴求するチャンスを得られますし、私も知りたかった情報が知れて、win-winです。さらに私以外の視聴者も、『思いのほか賞味期限が長いから買ってみよう』と思っているかもしれません。

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、このように人と人がやり取りすることで、チャンスというものは、生まれるのではないでしょうか。そしてそのチャンスの種類は、関わった人の数だけあるのかもしれません。

昨今は、コロナ禍の影響で人と接する機会が少なくなっています。そんな中で、ライブ配信が流行し始めました。
私も外出自粛を機にライブ配信を見始めた一人です。その背景には、感染症対策というだけでなく、少しでも人と接してチャンスを生み出したいという気持ちが、無意識のうちにあったのかもしれません。

それからもう一つ、あるウェビナーにて、ある方がライブ配信の特徴について、こう話していたのを覚えています。

『私は、ライブ配信と動画は、全然違うと思っています。基本的にライブ配信は、ぶっつけ本番ですよね。そのため、自分の頭の中で言葉を取捨選択して発言しますが、動画は、その必要があまりないんです。後から編集できるので、素材を増やすために、とにかくたくさん話しておいた方が得です』

そもそもの話ですが、動画コンテンツは、録画された動画とライブ動画に大きく分けられます。

録画されたものには、テレビ番組や、YouTube動画があります。テレビ番組では、面白かった箇所を抜き出すなどの編集をしていますし、YouTube動画では、噛んでしまったところを何度も撮りなおしています。
一方、ライブ配信は、リアルタイムなので、後から編集できません。もちろん、失言してしまったり、噛んでしまったシーンをカットすることもできません。

そのためライブ配信では、初心者の方が言葉を選び過ぎて、会話がたどたどしくなってしまう光景もよく目にします。いわば、ライブ配信ならではの、緊張感がそこにはあるわけです。これはライブ配信のデメリットともいえます。
実際に私も、ライブ配信で、ハプニングを避ける方法はないかと考えていたこともありました。

しかし、考えること自体が大きな間違いだったのです。
そもそもライブ配信の面白さは、視聴者と配信者が緊張感を共有することにあります。もちろん失言は避けるべきですが、ハプニング自体は積極的に受け入れ、そこで生まれる緊張感を活かしていくようにしましょう。後から手を加えて完成度を高めているテレビやYouTubeにはない、ライブ配信ならではの魅力が、視聴者にも伝わるはずです。

ハプニングも楽しむ

2つ目のポイントは、ハプニングさえも楽しんでライブ配信をすることです。

あるオンラインイベントにて、ライブ配信中に起こったハプニングについてのトークになりました。
その中で、こんな質問をされた方がいました。

『ライブ配信というと、やはり予想がつかないことが結構起こると思うんです。何かいろんな事故であったり、ハプニングというか。そのライブの中ですごい奇跡が起こった瞬間みたいな、何か降りてきたということは、ありますか』

私にも、ライブ配信の奇跡と呼べるような事例を見た経験があります。
それは、正月に行われた縁起の良い食べ物を紹介するライブコマースでのことです。このライブ配信は、神社周辺の屋台を回る形式で行われていました。

奇跡が起こったのは、ライブ配信も残り時間10分ほどという時です。一通り商品を紹介し終えた後で、視聴者のコメントをきっかけに、おみくじを引いてみようということになったのです。
縁起の良い食べ物をたくさん食べたので、大吉を引けるのではというような内容で盛り上がりました。しかし、配信者の二人が、それぞれ凶と大凶を引いてしまったのです。

残念な結果な気もしますが、ライブ配信は、大いに盛り上がりました。ちなみに3人目の配信者が、大吉を引いたので、結果的には丸く収まりました。

こんな風に、ライブ配信が盛り上がる奇跡のようなハプニングが起こることって、実はよくあるんです。私がこのエピソードを披露したところで、こんな意見が飛び出しました。

『何かそういうものは、本当は偶然じゃないような気がしています。何かそういうもの呼んでいる何かがあるんじゃないかと思うんです』

確かに、いい意味でハプニングに見舞われ続けている配信者を、私も何人か知っています。そんな配信者を見ていると、不思議な引力をもっているんじゃないかと思えてしまいます。すると、この疑問に、明快な回答を示す方が登場しました。

『おそらく、手抜いてる人には降りてこないんだと思うんです。全力で取り組んでいるからこそ、失敗があっても笑えるし、気持ちは伝わるのではないかと思います』

ライブコマースだけでなく、あらゆるビジネスやエンターテインメントに通じる言葉ではないでしょうか。
例えば、おみくじに、あらかじめ凶や大凶を仕込んでいたとしても、笑えないと思います。していることは同じでも、リアクションに嘘っぽさが出てしまうからです。
全力で取り組んで、失敗するから笑えるし、熱意や緊張感を感じられるわけです。

また、ここまで分かりやすいハプニングでなくとも構いません。例えば、全力で商品を紹介していたけれど、最後に噛んでしまったとしましょう。もしかすると笑う視聴者もいるかもしれません。しかし、その熱意は必ず伝わるはずです。

まずは全力で取り組む。そうすると、一見失敗したように見えても、結果は必ずついてくるということですね。

話を聴いてトークを盛り上げる

3つ目のポイントは、相手の話を聴いてトークを盛り上げることです。

会話が途切れないようなトークをして盛り上げたい。もっと上手にコミュニケーションを取りたい、と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に紹介したいのが、このトークを盛り上げる方法です。上手にトークするというと、いかに話すかということを考えてしまいがちです。トークは、話すという意味の言葉ですから、当然とも言えますね。

特にライブコマースでは、共演者との話が弾まないので、それをごまかすためにドンドン一人で話して、場をつなごうとしてしまうという出演者をよく見かけます。でもこれは、トークを盛り上げるのとは、全く正反対な行動だったんです。

先日、私は、“トークを盛り上げる方法とは?”というテーマのウェビナーに参加しました。その中で聞いたお話が、本当に興味深いものだったんです。そのお話によると、トークを盛り上げるには、たった2つのことをするだけでよいと話してくれました。

1.相手の話を聴く

2.話を深堀する

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1.相手の話を聴く

『まず1つ目は、共演者の話をきくことです。話し上手な人は、きき上手です。きく力、傾聴力が大切なんです。
だから、トーク力あると言われてる人は、きく力があるので、皆さんもトーク力をつけたいなと思ったら、きく力を身つけた方がいいですよ』

この時、お話しされた“きく”は“聞く”ではなく“聴く”だと話してくれました。

『何が違うのかというと、聞くは、耳から音を入れている状態。目つぶったとしたら、空調の音とか聞こえてきます。これは、普通に聞き流してる状態。

一方“聴く”という字には、目と心が入っています。だから相手に集中して、音だけではなく、体の動きや表情にまで注意しながら、心も耳も傾けるのです』

自分は普段、どちらの“きく”をしているのか考えさせられますね。具体的に“聞く”を“聴く”に変えてみたところ、さっそくこんな効果がありました。

あるライブ配信で、共演者が『○○さん、お昼休憩に行きました』と言いました。普通であれば、聞き流すか、何を食べたのか尋ねるところです。しかし、“聴く”で話しをきいていると、ペンを使ってすする動作をしたことに気が付きます。すると、お昼はラーメンだったのかな、蕎麦なのかなと想像をふくらませ、もう一歩先の質問ができるわけです。

他にもこんなことがありました。知り合いに飲み物を勧めたところ『いいです』と返答されました。この時、知り合いは『いいです』か『いります』か、あいまいな発音をしました。しかし“聴く”で耳を傾けていると、手を振り、いらないとアピールしたことにも気付きます。このように“聴く”を意識すると、多くのことが見えてきます。

2.話しを深堀する

2つ目のすべきことは、話しを深堀することです。

『トークの上手い人は、話を変えないです。自分も話したいから変えたくなってしまうのですが一旦全部、なるほど、など相槌を打って全部引き出します。

全部引き出してから、それに同意してあげたりしてます。話のうまい人は、絶対に相づちに手を抜かないですね。聞いてますよっていうのを体でアピールしてます』

“聴く”だけではなく、相手が話しやすい雰囲気を作って、とことん深堀してあげるということです。
このポイントに気を付けるだけで、共演者がドンドン話してくれるようになりますよ。

つまりトークを盛り上げるには、いかに話すかという一方的なコミュニケーションではなくて、いかに相手の話しを引き出すかという双方向のコミュニケーションを心がけることが大切だったんです。

ちなみに人は自分に興味を持って話を聴いてくれる人に好感を持つ傾向があるそうです。ということは、話しを聴けば、トークが盛り上がるだけでなく、相手と親密になれるというわけですね。

ここで一つ補足したいのが、話を深堀するポイントは、相手が特に話したがっている箇所でなければ、盛り上がらないということです。となると、その見極めが重要となるわけですが、そのおどろくほど簡単な方法も教えていただけました。

『相手が深堀してほしいポイントって、声のトーンが上がるんですよ。例えば“パキッとしたカラーも用意してるんですよ”と話した時に、カラーという所でワントーン上がる。
ということは、この商品をおすすめしてる、カラーを紹介したがっているんだなということがわかります。文章では注目して欲しい箇所に“!”がつきます。これが会話でいう、トーンの上がる箇所なのです』

自分にも分かるかなと心配になってしまいそうですが、安心してください。実は人間の耳は、相手の声のトーンに合わせてチューニングするそうです。そのため、トーンが上がれば必ずわかるのだそうです。

実際に試してみるのに最適だと思うのは、通販番組です。
例えば『なんとこちらの商品、送料無料でお届けします』という時には、『送料無料で』の箇所のトーンが、グンと上がっているはずです。このように通販番組では、注目ポイントをかなりわかりやすく、トーンをあげて話しているので、ぜひ練習のつもりで、トーンの上がる箇所を探してみてください。

また、このトークを盛り上げる方法は、視聴者とのコミュニケーションにも役立てられます。

もちろん、ライブ配信では、視聴者のしぐさを見たり、声のトーンを図ることはできません。ここで思い出してもらいたいのは、声のトーンが上がる箇所=“”ということです。例えば、コメントの中に“”があれば、そこが一番相手が深堀して欲しい箇所という事になります。ただし、文章に“!”を使わない視聴者も、少なからずいます。

もしコメントに“!”がない場合でも、双方向のコミュニケーションを意識して積極的に視聴者に質問を投げかけていけば、自ずと会話が盛り上がるはずです。まずは相手の話を引き出すためにトークするのだということを念頭に置いて、ライブ配信に望んでみてはいかがでしょうか。

ライブ配信では、目線に気を付けるべき

最後に紹介したいポイントは、ライブ配信での目線の使い方です。

いくつかのウェビナーで“ライブ配信ならではの気を付けるべきポイント”というテーマについてお話を聞いた結果、最も注意すべきポイントは、目線であるという結論に至りました。

まず大切なのは、目線を視聴者に向けることです。
ライブ配信では、画面越しとはいえ、せっかく視聴者と直接コミュニケーションがとれるのですから、ぜひ視聴者が目の前にいるような心持ちでカメラに話しかけてみましょう。

そうすることで、視聴者は、画面越しに自分に向かって話しかけられているような感覚を覚えます。
また、カメラの向こうの視聴者を意識することで、配信者は、より丁寧に誠意をもった話し方ができるようになるでしょう。

ちなみに、カメラの前では緊張し過ぎてしまうという出演者は、友人に語り掛けるような気持ちで話してみるとよいですよ。最初は違和感を覚えると思いますが、やがてカメラの前でもリラックスできるようになるはずです。

それからもう一つ、ライブ配信では、物事の捉え方という意味の方の目線も重要になります。
特に分かりやすいのは、ライブコマースとテレビショッピングを比べた時です。

テレビショッピングでは、出演者みんなが商品を販売する、いわば売り子です。でもライブコマースでは、お客さんと同じ目線で、商品を紹介している出演者が多いように思います。

インフルエンサーが愛用の品を紹介しているようなライブコマースが、その代表的な例です。その方が、テレビショッピングに比べて売りつけている感がなく、話しをすんなり受け入れやすいです。また、気負った感じがなく視聴者に語り掛けるので、親近感も湧きやすいです。

そうしたインフルエンサーのように、お客さんの側に立つというのは、簡単なようで難しいことです。
なぜなら、出演者は、性能や価格を伝え、商品を買わせることを目的としているからです。いわば、商品を背負って立つ状態だから、そんな風に売りつけてしまうのです。

そこでオススメしたいのが、商品と距離を置くことです。インフルエンサーのように商品を紹介するだけなら、お客さんの目線で話ができます。つまり、商品を売るぞというスタンスではなく、商品を紹介するぞ、くらいの気持ちで配信を望んでみるということです。

そうすることで、不自然なまでに商品を褒めたり、延々とセールストークを繰り広げたりしなくなります。逆に心に余裕が生まれ、フランクにコメントに返信したり、商品について正直な意見を述べられるようになるでしょう。そうすると視聴者は、あなたが本音で話していることを感じ取り、よりあなたに親近感を抱きます。

また、可能ならば、出演者を2人用意して、一人は商品を販売する役割、もう一人は視聴者の目線で商品を紹介する役割を担うと良いでしょう。こうすることで、売りつけている感をださずに、スムーズに商品を訴求できるようになるはずです。

おわりに

今回は、私がウェビナーやオンラインイベントで学ばせていただいた、ライブ配信の4つのポイント、

・緊張感をシェアする

・ハプニングも楽しむ

・聴くことでトークが盛り上がる

・目線に気を付ける

をシェアさせていただきました。
今後もチャンスが生まれそうなライブ配信には、積極的に参加して情報収集したいなと、そしてコラムを通してシェアしていきたいなと思います。

今回シェアしたのはあくまでも、チャンスの元となる情報に過ぎません。

この情報から得たチャンスを活かしたり、拡大したりして、新たなチャンスを生み出していただけたらと思います。


山本裕輔

ライブコマースや、ライブ配信について研究している山本です。
コラムでは、簡潔に分かりやすく伝えることを心掛けているので、ぜひ気軽に読んでいただけたらと思います。
ちなみに個人的にもライブ配信が大好きで、プライベートでもよく視聴しています。
一番よく視聴するプラットフォームは、YouTubeです。 また、最近はウェビナーを視聴することも多く、そこで得た知識をみなさんにシェアしていけたらと思っています。


 

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。