インフルエンサーマーケティングにおけるライバーの必要性

1.インフルエンサーマーケティングとは

「インフルエンサー」とは、InstagramやTwitterなど主にSNSで強い影響力を持つ人のこと。SNSがインフラ化された現代では、抜群の人気や知名度を誇るインフルエンサーの影響力は非常に大きくなっています。

インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーを起用し、自社のブランドや商品、サービスなどを紹介してもらって消費者にアプローチする、コミュニケーション型のマーケティング手法です。

フォロワーやファンを多く持つ人気度・知名度の高いインフルエンサーを介することで、ブランド認知の拡大や購買意欲の向上、ロイヤルカスタマー化を促す施策として、導入する企業も多く見られます。

インフルエンサーは実際に企業の指定する商品を使用したり、店舗を訪問したりして、感想を自身が得意とするSNSに投稿。消費者の行動に影響を与えることを目指します。宣伝感が少ないため受け入れやすく、フォロワーによる情報の拡散も期待できるでしょう。

インフルエンサーマーケティングのメリットは、『消費者目線に立ったPRをしやすい』点です。インフルエンサーは消費者との距離が近く、身近に感じられる存在。視聴者に近い第三者の目線で商品やサービスを紹介できるため、消費者にとっても自分ごと化しやすく、具体的なイメージがしやすくなります。

2.『ポストYouTuber』としてライバーが求められる時代に

現在、インフルエンサーといえばインスタグラマーやYouTuberなどが中心となっていますが、ライバーは『ポストYouTuber』とも呼ばれ、新たに注目される存在となっています。

ライバーはライブ配信プラットフォームを使って、リアルタイムで配信を行う人のこと。ライバーに最低限必要な道具はスマホとインターネット環境のみで、YouTubeのような動画編集も不要。低コストで気軽に始められるため、10〜30代を中心に人気の職業のひとつとなっています。

人気のライバーになれば、インフルエンサーと同様にコアファンも多く抱えています。視聴者はライバーにコメントやギフティングなどでコミュニケーションを取ることができ、ライバーは視聴者に対してリアルタイムでリアクションすることが可能。こういった双方向のコミュニケーションが、若者世代を中心に高い価値を生み出しています。

今後の消費が期待できる若者世代に親しまれるライバーは、今後インフルエンサーマーケティングにおいて十分に有望な存在と言えるでしょう。

インフルエンサーマーケティングでライバーは起用しやすい?

1.企業案件はライバーにも人気

企業の手掛けるイベント出演や商品・サービス紹介など、ライバーにもいわゆる企業案件と呼ばれる案件の依頼が来ることも珍しくありません。ライバーにとっても企業案件は人気があり、人気のライバーに積極的に案件を紹介するライバー事務所も多くあります。そういった面からも、ライバーはインフルエンサーマーケティングに起用しやすいと言えるでしょう。

ライバーの中にはモデルや俳優として活躍する人、歌やダンスなど特技を持っている人も多く、ライバーの数自体も年々増えてきています。まだあまり世に知られていないライバーであれば、ユーザーの目にはかえってフレッシュに映ることも考えられるでしょう。

2.ライブコマースでは特に力を発揮できる可能性も

ライブ配信を通じて自社の商品やサービスを紹介・販売する「ライブコマース」においては、ライバーは特に起用しやすいでしょう。ライブコマースは『生地の質感はどうですか?』『どう使うのがおすすめですか?』といった視聴者からの質問にも素早く回答できる点は大きなメリットです。

画像やテキストだけでは伝わりにくい内容もライブなら伝わりやすく、会話ベースで商品の魅力を伝えることがポイント。その分、ライブコマースの出演者には、生配信だからこその『深い商品知識』『アドリブ力・対応力』『コミュニケーション力』などが求められ、こういったスキルを兼ね揃えている人材は市場価値も高くなります。

ライバーは生配信に慣れている点が大きな強み。普段から視聴者からの質問に答えているため、コミュニケーションをとることにも長けています。例えば、下の動画では視聴者から「ライブコマースで新幹線を売って四国に新幹線を走らせましょう!」というコメントに「いいですね!私バンバン売ります!」など瞬時に応えています。

生配信のライブコマースでは、視聴者とコメントのみでやり取りするため、コメントの意図を瞬時に読み取り、すぐに反応するコミュニケーションに慣れているライバーは、ライブコマースに向いた人材と言えるでしょう。

ライブコマースの需要は今後も伸び続けることが予想されており、配信者需要の伸びも予想されますが、配信対応できる人材は不足しているのが現状です。ライブコマース配信者としての育成に力を入れているライバー事務所もあり、ライバーにとってはチャンスが広がっている状況と言えます。

3.ライバーをインフルエンサーマーケティングに起用する際の注意点

ライブ配信の場合は編集ができないため、ライバー・企業間での入念な事前打ち合わせが大切です。倫理に反する言動はもちろん、薬機法など法律に触れるような発言にも注意しなくてはなりません。NGワードなどがあれば、あらかじめ相互で認識しておく必要があります。

また、ライバーが持つトーク力やコミュニケーション能力を活かすには『企業やブランドのイメージに共感できる』『商品やサービスとの親和性が高い』といった点も大事なポイントです。

アプリの特徴にもよりますが、ライブ配信アプリを利用するユーザーは、配信者・視聴者ともに10〜30代が多い傾向にあります。世代もPRに関係する場合は、そういった点も考慮しましょう。

ジャンル別!人気ライバー

1.ファッション・美容関連の人気ライバー

・ももち(牛江 桃子)さん

人気アパレル店員から転身し、ファッションライバーやYouTuberとして活動しているももちさん。YouTubeチャンネルの登録者数は40万人以上、Instagramでは17万人以上のフォロワーを抱え、Z世代の女性を中心に絶大な人気を誇ります。

メイクやヘアスタイルも含めたトータルコーディネート提案が人気の理由のひとつで、SNSやライブで紹介した洋服やコスメなどが即完売となることも珍しくありません。2021年にはアパレルブランド「Lil Ambition(リル アンビション)」をプロデュース。着やせやスタイルアップに特化した洋服をメインに提供しています。

▼ももちさんアカウント

https://mobile.twitter.com/momochi661

https://www.instagram.com/momochi.661/

https://www.youtube.com/channel/UCWsQgHwnTXEzHRlPsQcvaYg

https://www.tiktok.com/@momochi661

▼Lil Ambitionオンラインショップ

https://lilambition.com/

・林村 ゆかりさん

Instagramのフォロワー数は約3.7万人、アラフォー女性の美容とライフスタイル情報を発信するインフルエンサーとして知られる林村ゆかりさん。落ち着いた上品さがあり、大人の女性が憧れる存在となっています。

美容師資格を保有するほか、モデルや歌手としても活躍。2018年からは17LIVE(ワンセブンライブ)で配信を開始し、フォロワー数30万人以上の人気ライバーとなっています。

▼林村 ゆかりさんアカウント

https://www.instagram.com/yukarice0/

https://17.live/ja/profile/r/319026

・加藤 遥香さん

宝島社の発行するファッション誌「sweet」の専属ライバー「sweet girls」第1期・第2期生メンバーとして選ばれています。Instagramのフォロワー数は約1.5万人で、元レースクイーンで現在はモデルとして活躍中。とても華やかな印象の方で、今後がますます期待されるライバーです。

▼加藤 遥香さんアカウント

https://www.instagram.com/haruka3inpi/

https://live.line.me/channels/5111390

2.グルメ・料理関連の人気ライバー

・長谷 美穂さん

17LIVE(ワンセブンライブ)公式ライバーでフォロワー数は54万人以上、Instagramでは3.7万人以上のフォロワーを持つ長谷美穂さん。料理研究家として活動していて、大手レシピサイトやSNSでレシピ提案を行いながら、レシピ本も発行しています。

歌手やモデルとしても活躍するほか、起業家としてライバー育成事業を展開。幅広いフィールドで多彩な才能を発揮しています。

▼長谷 美穂さんアカウント

https://www.instagram.com/hase.miho/?hl=ja

https://17.live/ja/profile/r/370834

▼公式サイト

https://hasemiho.fensi.plus/

・りこぴんさん

フードコーディネーターとして活動するりこぴんさん。Instagramのフォロワー数は2.4万人、簡単で美味しいダイエットレシピを中心に発信しています。Instagramにはスポーティーな装いの投稿や畑にいる様子の投稿もあり、そこから感じられるフレッシュさも人気の理由のひとつと言えそうです。

「Pococha(ポコチャ)」で活躍する料理ライバーでもあり、2020年からライブ配信をスタート。開始わずか1ヶ月でPococha(ポコチャ)の最上級クラスとされるS帯に入っているほか、さまざまなイベントで受賞歴がある人気ライバーです。

▼りこぴんさんアカウント

https://www.instagram.com/rikopin_tomato.925/

https://www.pococha.com/ja-jp/app/users/2cb58f92-4791-427c-b34a-9aa698bfa576

▼公式サイト

https://poco-rico.com/

3.音楽・ゲーム関連の人気ライバー

・DJ MEL(める)さん

17Live(ワンセブンライブ)で活躍するライバーで、フォロワー数は40万人越え。ライバーイベントの受賞歴も豊富なDJ MELさん。元DJ、元アイドルとして活動していた経験を活かし、ライブ中にはダンスを披露することも多いようです。

Instagramのフォロワーは30万人以上、ツイッターは6.7万人のフォロワーがおり、2022年からは本格的にTikTokでの活動もスタート。愛らしい笑顔が印象的で、雑誌のグラビアなどでも活躍しています。

▼DJ MELさんアカウント

https://www.instagram.com/djmel_jpn/

https://17.live/ja/profile/r/425932

・永井 香織さん

武蔵野音楽大学卒業、サックスプレイヤーである永井香織さん。ジャズをはじめ多彩なライブ出演実績を持つ、国内外で注目を集める実力派です。ラジオMCとしても活動しているほか、YouTubeでも動画を配信。チャンネル登録者数は1万人以上と、オンライン・オフライン問わず活躍しています。

2018年からはPococha(ポコチャ)でライブ配信を開始。常に上位にランクインする人気ライバーとなっています。実際にその場で聴いているかのような臨場感があり、サックスに興味がなかった人も、永井さんの演奏を聴けば思わずファンになってしまうかもしれません。

▼永井 香織さん

https://www.instagram.com/kaorisax/

https://www.youtube.com/channel/UCYMRcvLjb4cKlhX2e1jPcxw

・コレコレさん

『ライブ配信の王』『ツイキャス王』『ニコ生王』など、数々の異名を持つコレコレさん。2009年にニコニコ生放送で配信を開始して以来、さまざまなプラットフォームでライブ配信を実施。ツイキャスサポーターは42万人以上、YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、Twitterフォロワー数は35.6万人を誇ります。

雑談やゲーム実況など、さまざまな配信を行なっているのが特徴。2018年、2019年にはそれぞれアイドルユニットのプロデュースも手掛けています。

▼コレコレさんアカウント

https://twitcasting.tv/korekore_ch

https://www.youtube.com/c/korekorech

https://twitter.com/korekore19?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

▼公式サイト

https://koretan.net/

インフルエンサーがライバーとして成功する5つのポイント

1.ライブ配信の特徴や注意点を知る

ライブ配信の魅力は、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションがとれること。自分ばかりが一方的に話すのではなく、『その時にしかできない』視聴者とのやり取りを楽しむことが成功のポイントです。

視聴者からの質問にはなるべく回答するようにしましょう。そこから新たな話題が展開され、さらに盛り上がるケースも多々あります。ギフトをもらった際には『●●さん、ありがとうございます!』といったように、喜びを表現すると印象アップにつながります。

また、自ら視聴者に質問することでライブを盛り上げることも可能です。『みなさんはAとBどちらがいいと思いますか?』といった簡単に回答できる質問であれば、初めてライブに遊びに来た人でもコメントをしやすくなるでしょう。

気を付けなければならない点は、ライブ配信は写真や動画の投稿とは異なり、編集ができない点です。そのため、不適切な発言には十分に注意しなければなりません。例えば、人を傷つける・不快にするような発言は冗談であっても絶対にNGです。自宅や通っている学校、勤め先など、個人情報が特定されるような発言にも注意しましょう。

2.自分の得意分野を活かす

ライブ配信もSNSと同様に誰でも手軽に始めやすい分、その分ライバルも多いもの。ライブ配信でも周囲と一線を画する『自分らしさ』が求められ、他のライバーといかに差別化できるかが成功の鍵を握ります。

現在成功しているライバーの方も、自分のキャラクターや特技を活かしたライブ配信を行なっている人が多い印象です。どんなターゲットに向けて、どのようなライブを配信するのかを考えておくとスムーズにスタートできます。

例えば、ファッションやアパレル業界に精通している方なら、ファッションライバーとして活躍できますし、料理が得意な方や栄養学に精通している方なら、食をテーマにしたライバーとして活躍できるでしょう。

SNSでライブ告知をするのも有効な手段。SNSのフォロワーが多いのは、インフルエンサーならではの強い武器です。ライバーとして成功するには、まず自分のライブを1人でも多くの人に知ってもらい、見にきてもらう必要があります。SNSでライブの告知をすることは視聴者を集める有益な手段。SNSの口コミを通じての拡散も期待できます。

3.ターゲットに合わせたライブ配信アプリ使う

現在、ライブ配信アプリは海外発祥のものなども含めて、種類が非常に豊富です。アプリによって主なユーザー属性や主なライバー属性も異なります。自分がどのようなライブを行いたいのかに合わせ、ライブ配信アプリを選択することがポイントです。

ゲーム配信など特定のジャンルで配信したい方は、それに特化したアプリを選ぶのも方法のひとつです。お酒を飲みながらの配信はできないライブ配信アプリが多いため、お酒を飲みながらの配信をしたい方はその点も考慮しましょう。

積極的に知名度を上げていきたいという方は、運営元が積極的にイベントを開催しているアプリを選ぶのもおすすめです。ユーザー数やダウンロード数が多いアプリは、その分だけ人気も高く、多くのユーザーが集まります。一方、ライバーの競争率も高くなるため、その点も加味して選ぶようにしましょう。

ライブ配信時間は、自身のフォロワーやターゲット層がアクティブな時間帯がおすすめ。例えば、会社員をターゲットにするのであれば、朝晩の通勤時間帯やお昼休みの時間帯を狙うのも方法のひとつです。

4.目標をライブで宣言する

ライバーの主な収入は視聴者からのギフティング(投げ銭)です。ギフトを多く得るには、ライブ配信時に視聴者の『応援したい』という気持ちを掻き立てることがポイント。 将来どんなライバーになりたいか、どんな目標を掲げてライブ配信を始めたのかなどを伝えてみましょう。

ライブ配信アプリやライバー事務所が主催するイベントなどがあるため、参加できる機会があれば参加してみましょう。『このイベントで1位を目指します!応援お願いします!』といったメッセージをライブで発信することで、視聴者の気持ちも盛り上がります。

静止画や動画よりも、ライブ配信だからこそ目標への想いや熱量が伝わりやすいもの。前向きな姿勢を見せることが、ファンの応援したい気持ちにつながります。

5.事務所への所属を検討する

ライバー、インフルエンサー両方に対応する事務所もあるため、そこに所属するのも方法のひとつです。事務所に所属することで、マネージャーや教育担当が付くことは大きなメリット。ライブ配信のノウハウやブランディング方法などのレクチャーを受けられるので、初心者でも着実にスキルを身につけられます。

企業案件の営業代行やライブ配信機材の貸し出し、報酬補償、ファンとトラブルが起きた場合の対応など、さまざまなサポートが受けられるのも嬉しいポイントです。SNSで活躍している方には事務所側からDMなどでスカウトが届く可能性もあるので、所属を検討してみてもよいでしょう。

ただし、事務所側から手数料が引かれて手取りが減る、事務所によってはライブ配信アプリが指定されるなどのデメリットもあります。所属したい場合は、メリット・デメリットを考慮の上、提示された契約内容をよく確認してから契約するようにしましょう。

まとめ

トーク力や対応力など多彩なスキルを持つライバーは、インフルエンサーマーケティングにおいて今後ますます存在感を発揮し、重要な位置づけになると予想されます。すでにインフルエンサーとして活躍するライバーもいますが、人数はそう多くありません。ライバーに興味がある方は、ぜひ早めにスタートをきりましょう。

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。