
顧客との関係性を強化したい担当者必見!顧客データを管理・分析し顧客との良好な関係性を構築するツール、CRMを活用するメリットや事例について気になりませんか?
『社内にある顧客の情報が活用できていない』『大切な顧客との関係をもっと強化したい』そんなお悩みや課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。そんな時に有効なのが「CRM」。
「CRM」の広義的な意味は、『顧客との良好な関係性を管理すること』。狭義的な意味では、『顧客との良好な関係性を構築・維持し利益を最大化するために使用される、顧客データ管理システム』のことです。顧客情報を有効活用すれば、もっと効率的に売上を伸ばしたり、顧客からの評価を高めたりすることができます。
そこで今回は、これからの顧客管理に欠かせない「CRM」についてわかりやすく解説します。同時に顧客との関係性を強化する効果的なアプローチ手法もご紹介します。
目次
CRMとは?顧客との関係性の強化
「CRM」とは『Customer Relationship Management』の略。日本語では『顧客関係管理』と訳されます。ポイントカードなども「CRM」の1つです。
簡単な例を挙げて説明します。
あなたが商店街でよく通う行きつけのお肉屋があったとします。
ある日買い出しに行くと、お店の奥さんが『コロッケひとつおまけね』とサービスしてくれました。『おまけね』といってサービスしてくれたら、また買い物に行きたくなりますよね。このように顧客の満足度を最大にするためには、型どおりの対応ではなく顧客とのつながりに合ったアプローチをすることが最も効果的です。
前提として、見込み顧客にアプローチしたり新規顧客から契約を獲得したりするコストは、既存顧客を維持するコストの5~10倍かかるとも言われています。
そのため、既存顧客と良好な関係性を維持して継続的な取引を行うことがコスト削減に繋がります。
また、上位20%の顧客が売り上げの80%を占めるという『80-20の法則』という事実があります。この顧客を囲いこむために、顧客一人ひとりの購買意欲に合った商品の提案を行ったり、ポイントアップやセールスキャンペーンの開催をお知らせしたりする、これを顧客全体へと範囲を広げて行うのが「CRM」です。
企業にとって顧客の情報は財産そのものです。情報に基づき、上記のような対応を顧客全てに出来れば、売上を大きく伸ばすこともできますよね。
しかし、多くの企業において、顧客情報は取引・販売情報の一部として蓄積されているに過ぎません。『誰が、どこに住んでいて、どんな人なのか』というユーザー情報が、データとして一覧形式で保存されていますが、大きな企業になるほどデータの量も莫大になるため、管理しきれずに定期的なDMを送る程度でしか活用されていないのが現状です。
また、顧客との接触履歴や商談作成なども、社内の各部署ごとに別々のシートで管理されていて、部署を横断しての共有が出来ていないというケースも多いでしょう。
社会が成熟し、経済が右肩上がりに成長する状況ではない日本において、今まで通り売上を維持し伸ばしていくためには、商品をより良いものに改善すると共に『顧客の欲求を的確に分析してアプローチすること』が大切になります。より関係性を良好にしていくために情報を一括管理できる方法の導入、つまり狭義的な「CRM」の必要性が高まっている状況なのです。
参考:「顧客関係管理(CRM)の基礎」神奈川大学経済学会
なぜCRMが必要なのか?CRMが必要とされる理由と重要性は?
『なぜCRMを使って顧客との関係性を強化することが重要なのか』と思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで具体的に必要とされている理由を挙げていきます。CRMが必要とされる主な理由は以下の3つです。
- 顧客の課題や要望が多様化しているから
- 大量生産・大量消費の時代ではないから
- 競合する商品やサービスがたくさんあるから
それぞれを解説します。
理由1.顧客の課題や要望が多様化しているから
「CRM」が必要とされる理由の1つ目は、顧客の課題や要望が多様化しているからです。企業が売上を伸ばすためには、顧客の課題や要望を正確に把握し、それに対する解決策や提案をピンポイントに提供する必要があります。
しかし、モノも情報もあふれている現代では、多様化や個性が重視されるようになりました。そのため、本当に欲しいと思うものしか買わなくなっています。加えて、所得も伸び悩む日本においては、消費を削って貯蓄に回す傾向が強く見られます。お金が無いから買わないのではなく、お金があっても買わない消費者が増えています。
顧客にとって、本当に欲しいものが何なのか?その答えを持つ顧客との関係性を強化できない企業は、世の中からどんどん必要とされなくなっているのです。
参考:「コロナ禍でお金ため込む1世帯あたり貯蓄額1880万円、過去最多」
理由2.大量生産・大量消費の時代ではないから
「CRM」が必要とされる理由の2つ目は、大量生産・大量消費の時代ではないからです。高度経済成長期のような大量生産・大量消費の時代には、新聞・雑誌・テレビ・ラジオという『マス広告』を使って消費を喚起することで、売上を伸ばしていくことができました。みんなが持っているもの、みんなに支持されているものが、みんなの欲しいものだったからです。
しかし、時代が移り変わり、たくさん生産して、たくさん消費される訳ではなくなりました。日本の人口は2008年から減少傾向にあり、それに伴って消費も減っていく社会になったからです。作れば作るほど売れる時代ではなくなっています。これからは、他社と比較したときに選ばれる、つまり顧客のニーズに合った製品を作らなければ、どんどん売れ残る時代です。
顧客の支持を集め、自社の製品やサービスを売り切るためには、顧客との関係性を強化し、顧客が本当に求めるものを提供できる存在になる必要があります。
参考:「総務省統計局人口減少社会、少子高齢化」
理由3.競合する商品やサービスがたくさんあるから
「CRM」が必要とされる理由の3つ目は、競合する商品やサービスがたくさんあるからです。モノや情報が溢れる現代においては、顧客ごとのニーズや要望に応えていかない限り、顧客を固定化したり、ファン化することができなくなりました。競合する商品やサービスが多く、顧客はどこででも欲しいものが買えるからです。
そのため、企業が顧客を捉える際に『たくさんいる顧客のひとり』という扱いでは、商品やサービスに見向きもしてもらえなくなっています。こうした現状を打開するために必要なことが「CRM」です。物が飽和しきった社会では、顧客に『あなたのためだけのもの』であると印象付けることが求められています。
顧客との関係性を強化することで、得意客を増やしたり、ファン化するなど囲いこみをすることで、企業の商品やサービスが受け入れられたり、企業の存在そのものが顧客に求められたりするようになります。顧客視点での企業活動がますます重要になってきています。そのためには、顧客にもっと向き合い、徹底的に分析するための「CRM」が必要になっているのです。
CRMが解決する課題とは?
CRMを導入することで、企業に内在するさまざまな課題が解決されるというメリットがあります。CRMが解決する主な課題は以下の5つです。
- マーケティング方針を策定できる
- 営業戦略を策定できる
- 顧客情報を一元管理し共有できる
- 顧客満足度を向上できる
- コスト削減と売上向上を実現できる
それぞれ開設します。
課題1.マーケティング方針を策定できる
企業が永続的に売上を確保するためには、顧客視点でのマーケティングをすることが大切です。ニーズが多様化した現代、顧客ごとに商品やサービスを最適化する必要があります。
しかし、顧客との関係性を強化していなければ、どのような商品やサービスをどのくらいの価格でどのように提供するべきかを決めることができません。自社の都合や考えでセールスをしようとしても、顧客からの評価を得るのは難しいです。
「CRM」を活用すれば、顧客ごとのニーズを把握したり、購入頻度や満足度を確認することができます。このような顧客に関するデータを分析したり活用したりすることで、顧客が求める商品やサービスが認識できるようになっていきます。また、CRMを運用して競合との差別化や市場における自社のポジションが明確になれば、顧客に対して有利なアプローチをすることができます。
このようなマーケティングの方針は、自社の都合や作り手の思いで策定するのではなく、顧客の声や市場分析のデータを元に決めていく必要があります。マーケティング方針を策定するための根拠となるデータは「CRM」を利用して入手することが出来ます。
課題2.営業戦略を策定できる
マーケティングの方針が決まれば、それに則った営業戦略を策定することができます。「CRM」のデータを活用すれば、リピート購入してくれている既存客やしばらく疎遠になっているフォローすべき顧客がわかります。こうした顧客に関するデータを利用すれば、『誰に、何の目的で、いつどのようなアプローチ方法から情報提供するべきか』が見えてきます。
CRMに連動した「SFA(Sales Force Automation:営業支援システム。CRMの一部)」や「MA(Marketing Automation:最適なマーケティング活動を自動化する仕組みやツール)」といった機能と連携すれば、顧客ごとにメールフォローや商品リコメンドの表示を変えることができます。
顧客ごとに異なるニーズを的確に把握し、システムを活用して効率化して、個別的な営業アプローチが出来る体制を整えることで、単なる売り込みではない最適な提案活動ができるようになります。
課題3.顧客情報を一元管理し共有できる
顧客の情報を利用するのは、マーケティングやセールス部門ばかりではありません。経理部門やカスタマーサポート部門、経営層も利用します。
「CRM」を活用していなければ、各部門ごとに顧客情報をバラバラに持つことになり、情報の一貫性が保てません。また、顧客情報に変更があった場合でも、部門を横断して情報を変更しなければ最新情報に保つこともできません。
例えば、「CRM」を活用していなければ、セールス部門でクレームを受けている顧客に対して、カスタマーサポート部門がそのことを知らずに顧客満足度調査のメールを送ってしまうことになりかねません。組織内の情報を一元管理して共有しやすい状態を作り出さないと、顧客との関係性を悪化させてしまうことになりかねません。
「CRM」は顧客との関係性を強化するための元となる情報を蓄積します。全社でCRMの情報を活用することで、顧客に寄り添った対応ができるようになります。
課題4.顧客満足度を向上できる
「CRM」を活用することで、顧客満足を向上することができます。CRMを活用すれば、顧客に寄り添った商品やサービスの提案ができるようになるからです。
顧客はそれぞれで求めている商品やサービスの内容が異なります。年齢や性別、職業、住所、家族構成、年収、購入履歴、1人としてまったく同じ顧客はいません。しかし、その顧客に対して、一括で一律の情報提供を行ったらどうなるでしょうか?不要なDMが来て迷惑だと感じたり、この会社は自分に合っていないと思ったりしてしまうことでしょう。
CRMを活用すれば、顧客ごとの状況を理解した最適な情報提供ができます。顧客が求める情報を提供できれば、この会社は自分に合っていると感じてもらえます。仮に不具合やクレームが発生しても、迅速で的確なフォローができれば、禍が転じてますます自社のファンになっても
らうことも可能です。顧客満足を向上するためには、顧客を個別に把握して、その顧客に合った情報やサービスを提供する必要があります。さらに、顧客ロイヤリティを高めるためにも、CRMの活用は重視したいポイントといえるでしょう。
課題5.コスト削減と売上向上を実現できる
「CRM」を活用することで、業務上のコスト削減をしながら売上を向上することができます。
CRMで情報が一元化され、顧客との関係性が強化されれば、的外れな営業活動や顧客対応を減らして信頼を勝ち取ることができます。また、顧客にピンポイントな情報やサービスが提供できるようになれば、商品やサービスの成約率がアップして売上の向上が期待できます。
例えば、1万通のご案内を男女区別なく一律で郵送するケースと、顧客の個別の属性に合わせた内容の電子メールを1万通送るのとでは、コストも反響もまったく異なると想像できます。
「CRM」を活用すれば、長期的にコスト削減と売上の向上が期待できます。そればかりか、顧客にとっても企業にとっても、お互いに有益な関係性を構築できるでしょう。
CRMの導入事例
CRMの導入事例として、以下の3社をご紹介します。
- プリンスホテル
- 新生銀行
- 株式会社カインズ
それぞれを解説します。
事例1.プリンスホテル
プリンスホテルを運営する株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドでは、長年ホテル&リゾート事業を続けていたため、顧客情報は豊富に蓄積していました。しかし、その情報は事業部ごとに分断され、宿泊者の情報も保有しているだけで活用できていませんでした。そこで「CRM」を導入し、メールでの顧客関係強化を行いました。これまでのメールの反応を分析したところ、誕生日特典メールの開封率が高いスコアを得ていることがわかりました。
さらに、誕生日の当日にメールを送ると、開封率がさらに高まりました。顧客のニーズを捉え、適切なタイミングでコミュニケーションを図り、メールの反響を伸ばすことができたのは、「CRM」を導入し顧客分析を行った結果と言えるでしょう。
事例2.新生銀行
新生銀行では、チャネル(集客媒体)ごとに顧客にかかわるデータが分断化された状態でした。そこで顧客にかかわるデータを全社で一元管理していくために「CRM」を導入しました。
チャネルごとに分散していた顧客情報が統合され、氏名や年齢、性別といった定性的データだけではなく、取引の状況や同行Webサイト上での行動履歴など動的な情報も各部門でリアルタイムに共有できるようになりました。
これにより、各チャネルでの顧客の行動履歴や取引案件の情報などを踏まえて、適切なご案内ができるようになり、必要に応じて担当営業に知らせて対応を促すことができるようになりました。顧客満足度を向上させ、自社の売上にも貢献できる「CRM」の導入事例です。
事例3.株式会社カインズ
ホームセンター大手のカインズでは、オンラインショップも運営しています。しかし、顧客はデジタルだけでは満足しません。実際に商品に触れてから意思決定したいというニーズもあるからです。
そこで店舗とデジタルを融合するために「CRM」を導入しました。結果、『店が広くてどこにものがあるか分からない』、『せっかく来たのに在庫がない』といった顧客の悩みをアプリで解決出来るようになりました。
また、顧客がオンラインで商品を注文・取り置きし、店舗の専用駐車場に車を停めれば、店舗メンバーがその品物を車まで持ってきてくれるサービスも提供を開始。店舗が開いている時間に取りに行けない場合は、店外にあるロッカーから顧客が自分でピックアップできるようにしました。
買い物に対する顧客のストレスを少しでもなくし、良い体験を提供するために、「CRM」を活用して顧客ニーズへの対応を高めている事例です。
事例4.一般企業以外の事例を見る
この他、地域医療との連携や教育現場でもCRMを活用して業務を行っている事例があります。例えば、「済生会熊本病院」では「高度急性期機能※1」を継続するために、CRMを導入して各医療機関からの紹介状況や前年度からの推移を可視化。営業をかける医院の絞り込みなどを効率化しました。
※1初期の病状が不安定で緊急性が高い期間の患者さんに対して、状態の早期安定に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能
このように一般企業以外にもCRMは活用されています。上記の例のようにCRMで顧客との関係性を良好にしたい、と思い導入するときに注意して頂きたいデメリットが、コストと期間です。CRMツールは無料、月額3000円から50000円程度のものまで様々な価格帯があります。もちろん高い料金を支払えば使える機能は増えますが、必要な機能は各企業によって違うでしょう。現場が機能を使いこなせるまでには、時間がかかりますのでその点も含めてツール選びを行いましょう。
また、CRMはあくまでデータベースにデータを蓄積してそれを分析するツールです。分析結果の解釈、指標の策定、施策の立案は人が行わなければいけません。さらにこれらを実行し、実際に成果を実感できるまでには中長期的な期間を見ておく必要があります。
CRMは便利な機能を持つツール。実際に導入して成果を挙げている企業も多数あります。しかし分析結果を解釈したり実際に施策を実施するのは社員のため、社員が扱いやすい機能をもつサービスを選んで、長期的にお客様との関係性を良好にしていきましょう。
CRMで注目されるライブコマース
顧客との関係性を強化し、顧客から選ばれる商品やサービスを提供するための具体的な戦術として近年注目されているのが「ライブコマース」です。ライブコマースは、リアルタイムでライブ配信をしながら商品やサービスを顧客に紹介していくコミュニケーション手法で、視聴者はパソコンやスマホを通じてリアルタイムで質問や相談ができます。従来のテレビショッピングやEコマースでは、顧客は自分で情報を探したり、調べたりする必要がありました。企業が一方的に情報を流すだけであり、顧客と良い関係性を強化するには限界があったのです。
しかし、ライブコマースなら双方向でのコミュニケーションが可能。気になる商品やサービスについて、その場で詳しい解説をリクエストしたり、見たい角度で商品を映してもらうこともできます。特にファッションや美容、グルメなどのインスタ映えする分野でのライブコマースの相性は抜群です。SNSで感度が高まっている顧客を、まるで一対一の関係であるかのように接客できるライブコマースは、次世代の「CRM」と言えるでしょう。
ライブコマースで新たな価値を生み出す「共創」については以下のコラムをご覧ください!
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わかさ生活のコラムはこちら:わかさ生活に学ぶ!顧客との関係性に深くかかわるLTV
まとめCRMについて
顧客視点の商品やサービス提供がしたいなら、「CRM」の導入を検討してみませんか。単なる履歴に過ぎなかった顧客情報が、打ち出の小づちのようにビジネスのヒントをたくさん生み出してくれます。
より顧客の心を捉えたいなら『1 to 1』の接客ができるライブコマースもおすすめ。本質的な「CRM」が実現可能です。


