前回の「ライブコマースで商品の魅力を最大限に伝える方法」では、ターゲットのプロフィールを具体的に想像し、買うとどんなメリットがあるかを伝えると、商品を買ってもらいやすくなるというテクニックを紹介しました。

いわばターゲットを絞って訴求するやり方だったわけですが、今回はターゲットを絞り過ぎないことでファンを急増させるというテクニックを紹介していきます。

前回紹介したテクニックとは相反するように思われるかもしれませんが、実は両立させることも可能です。

ぜひ、合わせて活用してみてください。

BtoBとBtoC

私が先日視聴した※BtoC向けのライブコマースにこんなシーンがありました。

※Business to Consumerの略。企業が消費者を対象に行うビジネスのこと。

「今回バイヤーさんもご覧になってるかと思うんですけども、まず本日このライブコマースの中でご購入をお試しでご購入頂いて、お味見していただいて、でその後ですねほんならもうちょっと使ってみたいので、ちょっと見積もりちょうだいなとか、そういうお話を頂戴できましたらですね、また後日じっくりとお話しさせていただいて、あそこわからんとか、教えてっていう話もどんどんご相談乗らせていただきますので、ぜひこの機会にお味見としてご購入いただけたらなあというふうに思っております」

後半に来て、これまでメインターゲットにしていたBtoCではなく、※BtoB向けに説明を始めたのです。

※Business to Businessの略。企業間のビジネス取引のこと。

BtoCに向けた配信の中で、BtoBの視聴者にターゲットを変え、手軽に味見できるお試し品を販売するのは革新的なアイデアと言えます。

180度発想を転換しなければできないことですよね。

1度の配信でBtoBとBtoC、どちらの視聴者も取りこめたら一石二鳥なのは間違いありません。

しかし、そんな事が可能なのでしょうか?

ここで気になるのは、BtoB向けの説明をしている間にBtoCの視聴者が退屈しているのではないかという問題です。

結論から言えば、今回の配信ではその心配は皆無でした。

この配信でBtoBとBtoCどちらにも向けたライブコマースが成立した要因は大きく2つあります。

1つ目の要因はBtoB向けの説明を極力短く抑えていまたことです

約40分の配信中、1分30秒ほどとコンパクトに要点をまとめ説明していたので、それほど気になることはありませんでした。

もし、これが3分や5分の尺を使っていたのなら、離脱してしまう視聴者が出ていたかもしれませんね。

2つ目の要因はBtoB向けの説明の中で、自身の人柄を伝えることに成功したことです。

「そういうお話を頂戴できましたらですね、また後日じっくりとお話しさせていただいて、あそこわからんとか、教えてっていう話もどんどんご相談乗らせていただきますので」

こうした親身な語りかけをきけば、BtoB、BtoCなど関係なく、否が応でも好感を持つものです。

つまりBtoB向けの説明中、BtoC向けに商品を売り込むことは出来ていませんが、自身の人柄を売り込むことに成功しているのです。

今回、BtoCの立場でライブを視聴していた私も、「この人の商品なら安心して買えるな」と感じていました。

実はこの感情にこそファンを急増させるテクニックが隠されていたのです。

ファンを増やすテクニック

もし狙って視聴者に「この人の商品なら安心して買えるな」と思わせることが出来たなら、どんな商品でも買ってもらうことができるのではないでしょうか。

しかし、短い配信時間内に人柄を伝えるのは容易なことではありません。

また、いい人ですよとアピールすればするほど、視聴者には嘘くさく思われてしまうものです。

しかし、今回のライブコマースを参考にすれば、私がそうだったように、簡単に視聴者に「この人の商品なら安心して買えるな」と思わせることが出来ます。

では、どうして私はそんな風に感じたのでしょうか?

実は、そこには社会間接互恵性というし心理が関係していました。

「情けは人の為ならず」ということわざもあるように、我々には人に親切にしている人を信頼し、親切にしてあげたくなるという心理を持っています。

あなたも子供にやさしい人に好感を持ったり、店員さんに親切な対応をする異性が魅力的に見えた経験があるのではないでしょうか。

これが社会間接互恵性です。

つまり、私がライブコマースを視聴中に「この人の商品なら安心して買えるな」と感じたのは、この心理が働いた結果だったのです。

1つ気をつけたいのは、社会間接互恵性が働くのは他人に親切にしている姿を見たときだけという点です。

つまり視聴者に一生けん命、親切に視聴者に語り掛けてもこの心理は発動しません。

そこでターゲットをBtoCからBtoB変える必要がでてきます。

一度、BtoCの視聴者を対象から外し、話を進めましょう。

表向きには視聴者をおいてきぼりにしているように見えるかもしれません。

しかし対BtoBの時間こそが、社会間接互恵性を利用してBtoCの視聴者の心を掴み、ファンになってもらう最大のチャンスとなるのです。

まとめ

今回はライブコマースでファンを急増させる方法をご紹介しました。

社会間接互恵性というと難しく聞こえますが、簡単に言えば人に親切にすることでファンが増えるというとってもシンプルな内容です。

①語り掛ける対象を変える
②丁寧、親切に語り掛ける
③1~2分ほどで対象を戻す

手順はこの3点。

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