自社のあり方を見直す好機?
経営者向けセミナーが多数開催
2020年7月に開催されたオンラインセミナーの開催テーマを分析した結果、経営者を対象としたセミナーが23%にのぼることが明らかになりました。人材採用や業務効率化、テレワークといった、経営・管理層の関心に訴えると思われるテーマも含めると、その割合は49%にも達します。
新型コロナウィルスの影響により社会全体の「働き方」が大きく変化する中で、あらためて自社のあり方を見直す必要に迫られている経営者・管理者は少なくありません。こうした層に向けたオンラインセミナーが多く開催されているようです。
スキルアップ・キャリアアップ
ビジネスパーソンには「自分磨き」のチャンス?
一方、スキルアップをテーマとしたオンラインセミナーは24%、単体ではこちらのテーマがトップにランクインしました。さらに、「キャリアアップ」「With/Afterコロナのライフスタイル」「メンタルヘルス・癒し・リラックス」「語学」「趣味」といった、いわゆる「自分磨き」を想起させるキーワードを含めると、その割合は53%にものぼります。
新型コロナウィルス感染拡大防止対策としてテレワークやスライドワークを導入する企業が増加した結果、通勤時間が減少するなどして、以前よりも時間的な余裕を感じている人が増えてきています。
「新たに生まれた余暇を自分磨きのために使いましょう!」――そんな提案を投げかけるオンラインセミナーが増加傾向にあるようです。
失職への危機感を反映か?
副業、副収入獲得に関するセミナーも
最後に、「コロナ」というキーワードに着目すると、「With/Afterコロナの新しいビジネス・稼ぎ方」をテーマとしたオンラインセミナーが9%開催されています。ここに「投資」「資産運用・株価・経済分析」といった、いわゆる「副業・副収入の獲得を」示唆するようなテーマを含めるとその割合は16%、「起業・独立・会社設立」というテーマまで含めれば20%に達します。
新型コロナウィルスによる急激な景気の減退により、企業の倒産が相次ぐ昨今。かつては「安定路線」の代名詞であったサラリーマン層までもが、半年後・一年後の生活に不安を抱かざるをえない状況に直面しています。
終身雇用神話が崩れ、「いつ何時職を失うかもしれない」との危機感に後押しされる形で、本業とは別に新たな収入獲得の道を模索しはじめている人は確実に増加傾向にあります。
そうした世相がオンラインセミナーの開催傾向にも現れ始めていることが、今回のデータ分析の結果からも読み取れます。
新型コロナウィルスにより社会のあり方が大きく変わりつつある中、人々の「働き方」にも様々な変化が現れてきています。ヤフーをはじめとした大手企業が無制限テレワークや副業の解禁に舵を切りはじめ、今後は徐々にこのような流れが拡大していくことが予想されます。
こうした傾向が、オンラインセミナーの開催テーマにも反映されてきているようです。