話題のインフルエンサーや有名人もライブコマースに進出!

ライブコマースに出演する有名人やインフルエンサーが増えているのは、ご存知ですか?最近では「ジャパネットたかた」がライブコマースに参入し、進行役に藤本美貴さんを起用したニュースが、大きな話題となりました。

「ジャパネットたかた」のライブコマースの他にも、有名人やインフルエンサーが出演しているライブコマースが数多く存在します。そこで今回は、ライブコマースに有名人やインフルエンサーが出演した事例をご紹介していきます。

ライブコマースとは?

ライブコマースとは元々中国で始まったマーケティング方法です。タレントやインフルエンサーなどの配信者が、ライブ動画配信で視聴者に商品を紹介しながら、販売するという内容です。ライブコマースには、大きく2つのメリットがあります。

1つ目のメリットは、多くの情報を視聴者に届けられることです。ネット通販などの商品情報は、写真と説明文が中心です。それに比べてライブコマースには、ライブ動画配信であることを生かして、多くの情報を伝えられるという特徴があります。例えば、実演販売を見せるライブ動画配信では、商品の使用感をより分かりやすく伝えることができます。

2つ目のメリットは、チャット機能を使って、視聴者と配信者がリアルタイムに双方向のコミュニケーションが取れることです。例えば、視聴者は商品の詳細や、どんな商品が自分に適しているかを質問することができます。

中国のライブコマースに欠かせないKOL・KOC・インフルエンサー

ライブコマースの本場である中国では、ライブ動画配信を通じた買い物が、生活の一部として浸透しています。そんな中国のライブコマースの特徴は、高い影響力を持つKOL、KOCと呼ばれる配信者がいることです。

KOLとは、「Key Opinion Leader」の頭文字を取った言葉です。オピニオンは、所見という意味の言葉なので、「Key Opinion Leader」は、カギとなる所見を述べるリーダーということになります。元々は医療業界で使われている用語でしたが、現在はライブコマース用語としても、広く定着しています。

ライブコマースにおけるKOLは、影響力があって商品をレビューしている人を指す言葉です。イメージとしては、日本のインフルエンサーとほぼ同義語といえます。

KOCは、「Key Opinion Consumer」の頭文字をとった言葉です。Consumerは、消費者という意味ですので、カギとなる所見を述べる消費者ということになります。こちらは、主にオンラインサイトに商品の口コミを書く影響力のある人を指して使われています。

中国では人気のKOLとKOCが多数、活動していて、中国でライブコマースが人気の要因となっています。中国のライブコマース市場規模は、2017年の時点では2,957億円でしたが、2020年には17兆638億円に伸長しました。つまり約3年で50倍以上になったということになります。このまま市場が拡大していき、2025年には、約100兆円に達すると予測する識者もいます。

ちなみに、中国のライブコマースで人気のあるジャンルは、ファッション業界、美容業界ですが、近年は食品業界のライブコマースも活発になってきています。これは、食の安全性を求める消費者が増えたことに起因しているようです。

関連コラム:中国のライブコマースインフルエンサーは超セレブ

ライブコマース配信者は有名人がいい?それとも自社社員?

有名人を起用する場合

知名度が高く人気がある有名人であればあるほど、ファンが応援してくれる可能性が高まるため、大幅な集客と売上アップが期待できます。有名人やインフルエンサーを起用するPRは、短期的に数字を増やしたい場合は最適です。しかし、出演料が発生するので、長期的な起用を考えている場合は、予算に合った有名人やインフルエンサーを起用することも大切です。

また有名人やインフルエンサーを起用したからと言って、必ず売り上げに繋がるかといえば、一概にはそう言えません。有名人やインフルエンサーに依存せず、ライブ動画配信の内容の充実を図ることも大切です。

そのため多くの企業は、オープン時やキャンペーン時に、有名人やインフルエンサーを起用し、普段のライブ動画配信は自社社員でしっかり地盤を固めていくという方向性をとっています。

自社の社員を起用する場合

自社社員であれば商品知識があるはずなので、視聴者からの質問、要望に直接対応できるという強みがあります。質問に対しすぐに対応してもらえる事は、視聴者の信頼獲得、満足度向上に繋がります。

また、普段、店頭では会うことのできない社長が社内の雰囲気を話したり、開発担当者が商品製造工程でのエピソードを話したりするなど、店頭では得られない演出を加えることも、ライブ動画配信ならではの特別感を高めるために、良く使われている手法です。

ライブコマースに出演している有名人事例

日本でも有名人がライブコマースに登場する機会が増えてきました。ここでは、有名人が登場したライブコマースの事例を8つ紹介していきます。

1.藤本美貴さん

ライブコマース・有名人事例

「ジャパネットたかたテレビショッピング」で知られる株式会社ジャパネットたかたは、2021年9月よりライブコマース「みんなで買いまショッピング」を開始しました。それを記念して9月27日から10月21日までの間、「みんなで買いまショッピング」の司会進行を務める天の声の一人に、タレントの藤本美貴さんがキャスティングされていました。

藤本美貴さんは、アイドルグループ「モーニング娘」の元メンバーです。お笑いコンビ品川庄司の庄司智春さんとの熱愛が報じられ、グループを脱退しました。その後、藤本美貴さんは、庄司智春さんと結婚しました。いわゆる格差婚を乗り越えたことから、多くの女性に支持されています。

また、ママタレントとしても人気で、夫や子供を大切にする姿が素敵だとの声も多いです。2018年には『いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー』を受賞するなど、現在ではママタレントの代表的な存在となっています。

関連コラム:ジャパネットの革新的なライブコマースとは?

出典:https://www.japanet.co.jp/shopping/livecommerce/index.html

2.ギャル曽根さん

ライブコマース・有名人事例

広島県の特産品を扱う「ひろしまブランドショップTAU」では、「ひろしまお!ECチャンネル」というライブコマースを配信しています。「ひろしまお!ECチャンネル」では、ライブ動画配信ごとに、食に詳しい有名人をゲストとして招くという方式を取っています。

「ひろしまお!ECチャンネル」、第一回のライブ動画配信には、タレントのギャル曽根さんが登場しました。ギャル曽根さんは、大食い選手として有名になり、現在では多くのテレビ番組に出演しています。ギャル曽根さんが人気の理由は2つあります。

まず食べ方が美しいことです。多くの大食い選手は、急ぐあまり食べ方が汚くなりがちですが、ギャル曽根さんには、それがありません。どんなに急いでいても、丁寧に、行儀よく食べています。そんな姿も好感度が高い要因となっています。

それからもう一つ、ギャル曽根さんは、食自体の知識がとても豊富です。例えば野菜ソムリエの資格や、食育アドバイザーの資格も持っているそうです。そのため、コメント自体の信頼性が高いので、コメンテーターとしても大活躍しています。

出典:https://www.tau-hiroshima.jp/s_event/19249

3.池田エライザさん

ライブコマース・有名人事例

セイコーウオッチ株式会社のライブコマースには、女優、歌手、モデルとマルチに活躍して人気を集める池田エライザさんが登場しました。池田エライザさんは、セイコーウオッチ株式会社の手掛ける女性向け腕時計ブランド「セイコー ルキア」のイメージキャラクターでもあります。

池田 エライザさんがイメージキャラクターに抜擢されたのは、若い女性のファッションリーダーであるからでしょう。

池田エライザさんは、身長170cm、58kgというスタイルを活かし、ファッション誌『ニコラ』や『CanCam』のモデルとして活躍していました。そのため、池田エライザさんのファッションをチェックして参考にしている方も多いようです。

女性向けブランドの配信者には、まさにうってつけの存在ということですね。

出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja

4.てんちむさん

ライブコマース・有名人事例

ファッションに特化したライブコマース通販モール「1899mall」のライブ動画配信には、モデルのてんちむさんが出演しています。

てんちむこと、橋本甜歌さんは、小学生のころからファッション誌のモデルとして活躍していました。そのためファッションや、洋服のトレンドに詳しく、若い女性を中心に人気を集めています。

2016年には、自身のYouTubeチャンネル「てんちむCH」を開始しました。それまでは、どこか遠いあこがれの存在でしたが、「てんちむCH」ではプライベートの様子も投稿しています。そのため、より親近感が持てたというファンも多いそうです。

出典:https://1899mall.net/index.html

5.志田愛佳さん

ライブコマース・有名人事例

株式会社ジェーシーインターナショナルトレードが展開する、コスプレに特化したアパレルブランド「BODYLINE」のライブコマースに、志田愛佳さんが登場しました。

志田愛佳さんは、アイドルグループ「 欅坂46」の元メンバーです。グループを卒業後はユーチューバーとして積極的に動画投稿を行いファン層を拡大してきました。その活動が認められ、2020年には、ライブコマース配信プラットフォームである「ONPAMALL」のアンバサダーに抜擢されています。現在では、数多くのライブ動画配信に出演するタレントとして、広く認知されています。

出典:https://onpamall.com/store/ST1WCPOENUJT

6.飯豊まりえさん

ファストファッションブランドとして、広く認知されている「ユニクロ」は、自社のホームページから「飯豊まりえさんがおすすめ 高機能スポーツウェア&おしゃれ着回し」と題したライブ動画配信を行いました。

飯豊まりえさんは、あの有名ファッション誌「Seventeen」や、「nicola」の専属を務めたこともある、一流のモデルです。飯豊まりえさんのファッションセンスや、着こなしが洗練されていることはもちろんですが、もう一つ人気の理由があります。

それは、飾らない性格です。飯豊まりえさんはテレビ番組の中で、自身の性格をおっちょこちょいと話したこともあります。洗練されたカッコいいイメージと、モデルをしていない時のギャップが、多くの人を惹きつけているようです。

出典:https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/live-commerce/

7.よしミチ

ユニクロと並んでファストファッションブランドを代表する存在となっている「GU」。そのライブコマースである「GU LIVE STATION」の2022年5月の配信に、よしミチが登場しました。

よしミチは、弟のよしあきさんと、姉のミチさんからなる姉弟モデルコンビです。2人はファッション誌のモデルを務めるほか、インターネット番組の出演者や、インスタグラマーとしても活躍していています。

「インスタグラム」では、インスタグラマーとして、それぞれのアカウントからカップルコーディネートを発信しています。そのため若い世代のカップルを中心にフォロワーが多く、その数は合わせて100万人以上にもなっています。

「GU」のライブコマースでも、姉弟コンビである特徴を活かして、カップルが参考にできるようなコーディネートを披露していました。

出典:https://www.gu-global.com/jp/ja/feature/live-commerce/pc/

8.井桁弘恵さん

コスメブランド「SHISEIDO」は、自社のオンラインストア「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」から定期的にライブ動画配信をしています。2022年7月には、ブランドの150周年を記念して、「資生堂150周年スペシャルイベント」というライブコマースを行いました。

「資生堂150周年スペシャルイベント」では、全国の各店舗からライブ動画配信が行われました。中でもインターネットを中心に話題となっていたのは、 福岡の商業施設「ソラリアプラザゼファ」からのライブ動画配信に、モデルの井桁弘恵さんが登場したことです。

井桁弘恵さんは、ファッション誌「MORE」の専属モデルです。現在はテレビ番組「おしゃれクリップ」のMCや、「ヒルナンデス」のレギュラーコメンテーターを務めるなど、活動の幅を広げています。

そんな井桁弘恵さんの人気の要因の一つが、ナチュラルなメイクです。近年はナチュラルなメイクやコーディネートを好む女性も増えているそうで、参考にしているという声も多いです。また、トーク力も、テレビ番組のMCを務めるほど高いので、今後はコスメ系のライブコマースへの出演も増えていくのではないでしょうか。

出典:https://brand.shiseido.co.jp/gfs-livestream.html

インフルエンサーが出演しているライブコマース事例

ここからは、ユーチューバーやティックトッカーなどの、インフルエンサーが出演したライブコマース事例を紹介していきます。

1.はじめしゃちょーさん

2022年の7月15日から18日にかけて、イオンモールは「イオン超!ナツ夏祭り」と題したライブコマースを行いました。アンバサダーとして登場した、ユーチューバーのはじめしゃちょーさんが、自身の監修したプリンやおにぎりなどを販売し大きな話題となりました。

はじめしゃちょーこと、江田元さんは、日本を代表するトップユーチューバーの一人です。2013年から「YouTube」に様々なジャンルの動画を投稿しています。特定のジャンルに特化していないことが功を奏し、年齢性別を問わずファンを集めることに成功しています。

2022年7月現在の「YouTubeチャンネル登録者数」は、1020万人です。日本の人口が約1.258億人なので、単純に計算すると12人に一人がはじめしゃちょーの「YouTubeチャンネル」を見ているということになります。

また、「Twitter」のフォロワー数は、565万人です。これは日本人アカウントの中でもトップ7に入る多さだそうです。

出典:https://live-ec.aeonmall.com/

2.菅本裕子さん

ゆうこすの相性で知られる、菅本裕子さんは、自身が立ち上げたコスメブランド「YOAN」のライブコマースに出演しています。

菅本裕子さんは、ユーチューバーとして活躍していて、コスメのコツなどを伝える「ゆうこすモテちゃんねる」を運営しています。「ゆうこすモテちゃんねる」では、様々なコスメブランドの商品をレビューしており、そのレビューが参考になるという理由で、多くの女性から支持されるようになりました。

その点から、中国のKOCに近いインフルエンサーともいわれています。

出典:https://yukos.kospro.jp/

3.那月結衣さん

トヨタグループが運営する車のサブスクリプション型レンタルサービス「KINTO」のライブコマースに、那月結衣さんがアンバサダーとして登場しました。

那月結衣さんは、モデルやインターネット番組などを中心に活動するインフルエンサーです。那月結衣さんは、「インスタグラム」では、インスタグラマーとして日常生活を切り取った写真を数多く投稿していて、その洗練された雰囲気が男性と女性両方のファンを増やす要因となっています。

出典:https://17.live/ja/profile/r/17609812

4.水野佐彩さん

様々なアパレルブランドが出店しているECモール、「.st」(ドットエスティ)のライブコマースには、水野佐彩さんが出演し、コーディネートを披露していました。

水野佐彩さんは、読者モデルとして活躍していたという経歴を持っており、現在はその知識を活かして、ファッション系インフルエンサーとして活躍しています。

「インスタグラム」では、インスタグラマーとして、子育てをしつつも、ファッションを楽しむ様子を投稿しています。この子育てとお洒落の両立している姿がカッコいいと、30代の女性を中心に人気を集めています。

ちなみに自身の「YouTubeチャンネル」では、美容法を発信していて、そちらも大きな反響があるようです。

出典:https://www.dot-st.com/cp/dotst-live?liveid=B58fGzQ4X6063HzsplFw

5.そわんわんさん

2020年7月に「ラフォーレ原宿」がライブ動画配信した「LIVE SHOPPING ~Laforet Long Bazar~」には、そわんわんさんが登場しました。その内容は、そわんわんさんが、「ラフォーレ原宿」に出店している様々な企業のアイテムを200点以上、紹介するというものでした。

そわんわんさんは、お友達系ユーチューバーとして、広く認知されているインフルエンサーです。通常のユーチューバーは、多くの人にとって憧れの存在ですが、そわんわんさんは視聴者との距離感が近いことから、お友達系ユーチューバーと呼ばれています。

そわんわんさんの投稿する動画の特徴は、友達に語り掛けるような、ラフな雰囲気で撮影していることです。何気ない日常生活の様子をアップした動画も多く、そのゆるい雰囲気が多くの人に支持されている所以となっています。

出典:https://www.laforet.ne.jp/long_bazar/liveshopping/

6.牛江桃子さん

ユーチューバーの牛江桃子さんは、自身が展開するアパレルブランド「リル アンビション」のライブコマースに自ら出演し、話題を呼びました。

牛江桃子さんは、インフルエンサーや、「リル アンビション」の運営以外にも、マーケティング事業や、プロデュース事業を展開しています。その精力的に働く起業家としての姿が、高い好感度に繋がっているようです。

2021年からはティックトッカーとしても活動を開始していて、「TikTok」のメインユーザー層である10代、20代のファンも増えています。

出典:https://lilambition.com/

7.がみさん

旅行会社「Trip.com」のライブコマースには、ユーチューバーのがみさんが登場し、旅行の魅力や、おすすめの楽しみ方を語りました。

がみさんは、旅行系ユーチューバーと呼ばれていて、主に鉄道を紹介する動画をアップしています。ほとんどのアップされている動画は、がみさんの姿は映らず、ナレーションのみで出演しているという形になっています。しかし動画のコメント欄には、がみさんのナレーションが聞きやすい、声が素敵という視聴者の声が多く寄せられています。

もちろん鉄道好きのファンも多いようで、「YouTubeチャンネル登録者数」は16万人を突破しています。

出典:https://jp.trip.com/

話題のインフルエンサーや有名人もライブコマースに進出!まとめ

以上、ライブコマース・有名人事例についてご紹介いたしました。一口に有名人、インフルエンサーといっても、それぞれに特徴があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ライブコマースに起用する際は、自社に合った雰囲気や専門分野を持つ、有名人やインフルエンサーを選ぶのがおすすめです。

本記事を読んで、有名人やインフルエンサーを起用する参考にしていただければ幸いです。

ぜひ、関連のある「ライブコマースに向いている出演者はどんな人?」も合わせてご覧ください。


山本裕輔

ライブコマースや、ライブ配信について研究している山本です。
コラムでは、簡潔に分かりやすく伝えることを心掛けているので、ぜひ気軽に読んでいただけたらと思います。
ちなみに個人的にもライブ配信が大好きで、プライベートでもよく視聴しています。
一番よく視聴するプラットフォームは、YouTubeです。 また、最近はウェビナーを視聴することも多く、そこで得た知識をみなさんにシェアしていけたらと思っています。


 

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