ライブコマースを始めるには

ライブコマースは今トレンドのマーケティング戦略です。『最近よく耳にするけど、よくわからない』という方も多いのではないでしょうか。

・ライブコマースについて知りたい!

・新しい販売方法を取り入れたい!

・実際にどうやったらいいか分からない…

・どうやったら成果が出るか分からない…

などの様々な悩みを解決すべく、ライブコマースの意味と始め方についてお話していきます!まずはライブコマースの始め方の大枠をご理解いただければ、具体的な進むべき方向性が見えてくるはずです。

ぜひ本記事を最後まで読んでいただき、今後の参考にしていただければ幸いです。

ライブコマースとは?

​​ライブコマースは、ライブ動画配信とオンライン販売を組み合わせた販売手法、マーケティング戦略のことです。視聴者はライブ動画配信を見ながら商品をすぐに購入することができます。また、配信者は商品について説明しながら、同時に販売を行えます。

また、ライブコマースは、実店舗とオンライン販売の両方のメリットを兼ね備えています。情報の一方通行であった従来型TVショッピングと大きく違う点として、視聴者はライブを見ながら、気になったことをリアルタイムに質問やコメントできます。

つまり、コミュニケーションを通じて商品を深く理解することはもちろん、配信者と視聴者の一体感を通じてショッピングを楽しめるようになっているのです。

このように双方向のコミュニケーションが楽しめるというのも魅力のひとつです。配信者は、文面や画像だけでは伝わりにくい商品の良さを直接的に視聴者にアピールできますし、視聴者は商品の疑問などをその場で質問できるので商品購入前の不安を即時に解消することができます。

ライブコマースはオンラインショッピングに楽しみを加えるだけでなく、コロナ禍で激変した生活様式にも適応した次世代の販売手法、マーケティング戦略なのです。

関連コラム:ライブコマースとは何か?

ライブコマースを始める意味とは?

ライブコマースは中国から始まった販売手法、マーケティング戦略で、現在は世界の複数の国でその市場を拡大中です。それを受け、日本でも徐々にライブコマースの認知度が高まっています!

また、中国国内ではライブコマースを通じた買い物がすでに定着しています。販売側の主な目的は効果的な商品PRの為、一般消費者に影響力のあるインフルエンサーを多数起用しています。中国のインフルエンサーは、日本とは異なり2つの種類に分けられています。

1つ目は、化粧品やアニメなど特定分野の専門知識を持ったインフルエンサーであるKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる出演者。2つ目は、インターネット上で口コミの発信力がある一般人、KOC(Key Opinion Consumer)と呼ばれる出演者です。

KOLが1つのジャンルに特化しているのに対して、KOCは幅広いジャンルの商品を扱うという違いがあります。そのため、日本人がイメージするインフルエンサーに近いのは、KOLよりもKOCといえます。

中国では高額な製作費用をかけてライブコマースを行うため、売上規模が大きいことも特徴です。中国のライブコマース市場規模は、さらに拡大すると中国メディアは、推測しています。

関連コラム:中国のライブコマースインフルエンサーは超セレブ

ライブコマースを始める意味と始め方について

一方で、日本国内の市場はというと、現状大きく普及しているわけではありません。ライブコマースの認知度に関する市場調査では、『内容も含めてよく知っている』、『聞いたことがあるが内容までは知らない』と回答した人を合わせて、29.7%という結果が出ています。

しかしながら、ライブコマースと関連性が高いB2Cオンライン市場を見てみると、2020年の市場規模は伸長率21%以上の12兆2333億円です。さらに直近8年間をみても高い伸長率で推移していることがわかります。

こうしたことからも、日本におけるライブコマース事業は中国のように大きな成長を遂げる可能性を秘めていると考えられます!つまりライブコマースを始めるという事は、時代を先読みし、最先端を行くということなのです。

出典:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf

2022年ライブコマースの市場動向

ライブコマースを始める意味とは?でも少し触れましたが、さらに詳しくライブコマース市場の動向を解説していきます。

日本の市場

前述したように日本でのライブコマースの認知度は、29.7%とかなり低いです。しかし、2019年に新型コロナウィルスが流行して以来、日本でもこれまで対面で行っていたことをオンライン上で行う機運が高まっています。これはライブコマース市場にも追い風となるでしょう。

ライブコマースと同じライブ動画配信を利用している成功事例で、よく挙げられるのは、セミナーとイベントです。これまで対面での開催が当たり前だったセミナーは、オンラインセミナー、ウェビナーなどと名前を変え、今やオンライン上で行うことの方が多くなっています。

また、イベントも同様です。これまで対面のみだったアーティストのファンミーティングや、音楽ライブをオンライン上で視聴したことのあるインターネットユーザーも多いのではないでしょうか。

このようにイベントやセミナーをオンラインで参加することが当たり前になったのですから、近い将来、ショッピングをオンラインで行うのも当たり前となるのではないでしょうか。

ここでもうひとつ伝えたいのは、ライブコマースは単なる買い物ではなく、ショッピングであるということです。ショッピングは確かに買い物という意味ですが、そこには、楽しく商品を選ぶというニュアンスが込められています。

商品を購入するだけならば、yahoo!ショッピングなどのオンラインショップでこと足りますが、実店舗に行った際と同じような体験が出来るのは、ライブコマースならではです。

2022年現在、こうしたライブコマースの魅力にいち早く気が付いた企業が次々に、市場に参入しています。特に2019年以降は大手企業の参入が顕著です。調味料メーカーの「ミツカン」、ファストファッションブランド最大手の「ユニクロ」、日本を代表する化粧品ブランド「SHISEIDO」などが、続々と参入しています。

こうした理由から日本のライブコマース市場は、拡大していくと予測されています。

加えて株式会社サイバーエージェントが発表した「デジタルライブエンターテインメント市場規模予測」でも、これまでの伸長率から、日本のライブコマース市場は2023年に700億円を突破し、2024年には1000億円市場になると予測されています。

中国の市場

中国最大手のライブコマース企業であるアリババが行った調査によると、2021年の中国市場は前年比90%増の約33兆9,150億円。2022年もさらなる伸長が見込まれています。

こうした市場の急成長に拍車をかけているのが、大手動画配信サービスのライブコマースサービス導入です。日本でもなじみの深い「Facebook」や「Instagram」などが、本格的なライブコマースサービス導入を進めているそうです。

こうしたライブコマースサービスの充実により、ライブコマースを視聴するインターネットユーザーも増えることでしょう。

また、日本の通商産業省にあたる中国商務部の発表によると、2020年上半期における中国国内のライブコマース配信者は40万人以上、ライブコマース自体の配信回数は1,000万回以上だったそうです。こうした桁違いな規模からも、中国市場が世界のライブコマース市場の発展をリードしていくことは間違いないといわれています。

ライブコマースの特徴

ライブコマースには、これまで主流だったyahoo!ショッピングなどのオンラインショップや、テレビショッピングにはない3つの特徴があります。

1つ目の特徴は目は、配信者と視聴者との間に信頼関係が生まれることです。ライブコマースでは、チャット機能を通して、リアルタイムに配信者とのやり取りが可能です。商品についての質問に限らず、挨拶や雑談など、様々なやり取りを交わすことで、視聴者と深い絆を結ぶことができるでしょう。

2つ目の特徴は、自由に商品の魅力を伝えられるということです。ライブコマースでは、好きなだけ時間をかけてライブ動画配信を行い、商品の魅力を丁寧に伝えることができます。また質問が多く寄せられれば、ライブ動画配信時間を延長することもできます。

こうした自由度の高い販促ができるのは、ライブコマースならではでしょう。

3つ目の特徴は、エンターテインメント性を持たせられるということです。例えば美容業界のライブコマースでは、単に商品について説明するだけでなく、美容術をレクチャーするというライブ動画配信を行っています。

また、アパレル業界のライブコマースでは、最新のトレンドや、季節に応じた商品について説明するだけでなく、コーディネートのコツを教えるという内容のライブ動画配信をしています。

このように商品を買わなくても、視聴者が楽しめるような、エンターテインメント性の高いライブ動画配信が、ライブコマースのトレンドとなっています。

ライブコマースで期待できる効果

ライブコマースを導入することで、大きく2つの効果が期待できます。

1つ目は、新規顧客を開拓できることです。ライブコマースを利用すれば、気軽に全国の視聴者に向けて商品を紹介できます。多くの人の目に留まるため、近隣の住民へしか商品を訴求できない、従来のマーケティングに頼っていた企業ほど効果が出るでしょう。

また、近年は日本だけでなく、世界に向けてライブ動画配信を行う、越境ライブコマースも話題です。中にはメイドインジャパンというブランド性を活かして、世界に市場を広げる企業も登場しています。

加えてライブコマースは、比較的若い年齢層の視聴者が多いので、これまでと異なる年齢層の顧客を獲得することもできるかもしれません。

同じように顧客を拡大する方法としては、インターネット広告や、テレビCMの放送という手段もありますが、ライブコマースに比べて高額な費用が掛かります。ですからライブコマースは、費用対効果の面からも最適な新規顧客の開拓方法といえます。

もうひとつ期待できるのは、人をメインにしたマーケティングが可能になるという効果です。

接客力が魅力の企業は数多くありますが、これまでその接客力は実店舗でしか活かすことができませんでした。しかしライブコマースであれば、遠方にいる視聴者とリアルタイムにやり取りし、その接客力を活かすことができます。

近年では接客力に優れた配信スタッフが、人気インフルエンサーとなる成功事例も多くあります。その場合、配信スタッフ自体に固定のファンが生まれ、商品ではなく、人をメインとしたマーケティングができるようになります。

そしてファンとなった視聴者は、よりライブ動画配信を盛り上げようと、協力してくれるはずです。このように人をメインとしたマーケティングが可能になるのは、オンラインストアやテレビショッピングにはない、ライブコマースならではの効果です。

ライブコマースを始める方法、やり方

大きな効果が期待できるライブコマースですが、そのやり方は驚くほど簡単です。今回は、基本となる3つのステップを紹介していきます。

1.配信方法、配信プラットフォームを決める

まずはライブ動画配信方法を選定します。主なライブ動画配信方法として代表的なのはSaaS型、ECモール型、SNS型の3つです。

SaaS型は、自社のホームページやオンラインストアに配信機能を埋め込む方法です。SaaS型の主な配信プラットフォームには、「TAGsAPI」や「LiveKit」があります。SaaS型は自社のホームページやオンラインストアに集客力がある場合に、有効な方法です。

ECモール型は、ECモールが提供するライブ動画配信機能を利用する方法です。ECモール型の主な配信プラットフォームには、「shoproom」や「HandsUP」があります。ECモール自体に集客力があるので、すぐに視聴者を集めたいという場合に、最適な方法です。

ちなみに「shoproom」には、年齢の若いユーザーが多いという特徴があります。もし比較的若い年代をターゲットにしたい場合は、「shoproom」が適しているといえるでしょう。

SNS型は、SNSが提供するライブ動画配信機能を利用する方法です。SNS型の主な配信プラットフォームには、「YouTube」、「Instagram」、「facebook」があります。SNS型のほとんどは、無料でライブ動画配信を始められるので、初期費用を抑えたいという場合に最適です。

「facebook」が提供する「Facebook Live」では、オンラインストアを制作することも可能です。また「Facebook」内に制作したオンラインストアの商品は、「Instagram」の投稿にタグ付けすることができます。

もし「Instagram」か「facebook」を検討しているなら、2つ合わせて運用するのがおすすめです。

2.配信者を決める

ライブコマースにおいて、配信者、出演者は最も重要な要素となります。ほとんどの場合、自社のスタッフを起用するか、インフルエンサーやタレント、有名人を起用するかの2パターンに別れます。

もともとある接客力を活かしたい場合や、専門知識を要する商品の場合は自社のスタッフが向いているでしょう。また、爆発的に商品の知名度をあげたいという場合は、インフルエンサーやタレント、有名人を起用するのがおすすめです。

当然のことながら、インフルエンサーやタレント、有名人を起用するには、費用が発生するので、予算との兼ね合いを見て決定する必要があります。

また、日本ではイベントや、新商品を発売する際にのみ、ゲストとしてインフルエンサーやタレント、有名人を起用する成功事例も多くみられます。こうした限定的な起用には、特別感を高める効果が期待できます。

関連コラム:ライブコマースに向いている出演者はどんな人?

3.配信内容を練る

配信方法と出演者が決まったら、最後に配信の内容を練りましょう。ライブコマースでは、いかに視聴者を飽きさせないかが重要です。

例えば商品のデモンストレーションをしてみるなど、画面に動きが出るような工夫も必要となるでしょう。また、視聴者の要望を募るなど、多くのコメントを得られるような工夫も必要です。

いかに視聴者を楽しませ、コメントをもらうかを念頭に置いて配信内容を考えてみましょう。

ライブコマースでよくある質問

①「YouTube」など、販売機能のない配信プラットフォームを利用する場合は、どうしたらよいですか?

「YouTube」や「Instagram」などの配信プラットフォームには、商品を販売する機能が備わっていません。そのため視聴者が商品を購入しやすいように、しっかりと購入ページまでの導線を作ってあげる必要があります。

例えば、ライブ動画配信ページの概要欄にオンラインストアのリンクを張るのは、代表的な導線の例です。このようにしっかりと購入ページまでの導線を作れば、視聴者はスムーズに買い物を楽しめるようになるでしょう。

特殊な機材は必要ですか?

ライブコマースには、基本的に特殊な機材は必要ありません。スマートフォンやタブレット、PCがあれば、すぐにでもライブ動画配信を始められます。ただし、より高画質、高音質な配信を求めるならばカメラやマイクの購入をおすすめします。

インフルエンサーを選ぶ基準はありますか?

インフルエンサーを起用したい場合には、商品や業界に詳しい方を選ぶのがおすすめです。例えば美容系のライブコマースなら、美容に詳しいインフルエンサーを起用する、といった具合です。

商品に詳しいだけではなく、キャラクターがブランドイメージに合っているかも考慮することも重要です。

海外に向けたライブコマースをするにはどうしたらよいですか?

越境ライブコマースと呼ばれる、海外向けのライブコマースを行うには、越境ecを利用する方法がおすすめです。越境ecとは海外向けECモールのことです。

代表的な越境ecには、「Live Commerce」があります。こちらは「Googleショッピング」とも連携可能なので、集客力を高める効果も期待できそうです。

他にも様々な越境ecが存在するので、比較して自社に合ったものを選んでみましょう。

配信内容が決められない時は、どうしたらよいですか?

配信内容が決められない時の、解決策の1つはセミナー型にすることです。セミナーといっても堅苦しいものではありません。例えば美味しくお肉を焼くセミナーや、トレンドのコーディネートを教えるセミナーなどです。内容は視聴者が楽しめればどんなものでも大丈夫ですよ。

ライブコマース成功のポイント

ここからはライブコマースを成功させるポイントを3つご紹介します。

1.ライブコマースと相性の良い商品を選ぶこと

一般的にライブコマースと相性が良いといわれている商品はアパレル、グルメ、化粧品、家具、雑貨などです。ライブコマースは、オンラインに抵抗の無い若年層のユーザーが多いので、見栄えが良く、現在流行している商品に注目が集まりやすいです。

関連コラム:ライブコマースに強い業界と弱い業界とは?

2.適切な配信環境を整えること

多くの企業のライブコマースは、実店舗からライブ動画配信を行っています。しかし、これまでyahoo!ショッピングなどのオンラインショップのみで販売をしてきた企業は、撮影場所に困るかもしれません。雑然としていたり、清潔感に欠ける場所だったりしないように、背景には十分気を配りましょう。

レンタルスタジオを利用するのも、ひとつの手段です。レンタルスタジオには、機材の貸し出しや、専門スタッフのサポートを受けられるところもあります。必要に応じて検討してみてください。

3.配信後のデータ分析を有効活用すること

配信後のデータ分析

ライブ動画配信が無事終われば成功ではなく、成功するポイントは配信後にもあります。視聴者の質問や視聴者数、購入件数、購入商品の傾向などを分析し、次回のライブ動画配信、実店舗や今後の商品開発に活用することが大切です。

ライブコマースのまとめ

いかがでしたでしょうか。どんなライブ動画配信をしたいかイメージは湧いてきましたか?

今回はライブコマースの意味と始め方についてお届けしました。​​今後、ライブコマースを始める手助けになれば幸いです。

詳しい費用が気になる方は、ライブコマースの費用や種類をご紹介も合わせてご覧ください。

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