今回はライブコマースを始めたファンケルについてお届けしていきます!
まずはファンケルの
創業からライブコマース配信までの背景を見ていきます。
目次
創業からライブコマース配信までの背景
1981年横浜に本社を置く化粧品・健康食品の製造・販売会社設立
創業した1980年以来ずっと主に無添加化粧品を製造販売してきました。今でこそドラッグストアなどでも普通に販売されている日本の無添加化粧品は、ファンケルが火付け役だったようです。
ファンケルの無添加化粧品は、アレルギーやアトピー性皮膚炎などによる敏感肌に悩む人々に愛用され続けています。
1994年サプリメント28品目の通信販売を始め、サプリメントブームの火付け役となる
1995年ファンケル初の直営店舗(アンテナショップ)を静岡に出す
1996年直営店「ファンケルハウス」の1号店を香港に出店
1997年今でいう「置き配」の先駆けとなる、あらかじめ指定した場所(玄関前、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置など)に非対面で製品を届けるサービスを開始。
同年、オンラインショップを開設して、インターネット通販も始めました。
1998年株式を店頭公開
1999年東証1部上場を果たす。発芽米事業も開始
このようにして、様々な製品やサービスの火付け役となってファンケルは大きく成長したのです。
2003年創業者である池森賢二社長が引退した後、5年の間に社長が4人も入れ替わり、創業理念が薄れたことで、事業悪化を招く
紆余曲折を経ましたが、引退から10年後、池森氏が会長として経営に復帰し業績を回復させます。
2018年中国の越境Eコマースに参入し多くのサプリメントを発売して好調に売り上げを伸ばす。
2021年7月21日ライブコマースの配信を開始!!
新型コロナウイルス拡大の影響で、顧客の店舗利用が制約を受け、外国人観光客が日本に入国できないこともあり、新たなコミュニケーション手段の確立を目指して実施しました。
通販と店舗間の相互送客を容易にしてマルチチャネル化を推進してきたファンケルは、ライブコマースにより通販・Eコマースサイトに顧客を誘導する方針を掲げています。
コロナ禍を意識した製品をライブコマースで紹介
ファンケルでは新型コロナウイルスの影響により、実店舗で購入しにくい環境に対応し、通信販売をより充実させ、ECモールなどの外部通販での展開も強化し、お客様との接点拡大を目標に掲げています。
そんなファンケルのライブコマース「ファンケル ライブショッピング」は2020年7月にスタートしました。
初回の内容は新型コロナウイルス感染防止として毎日欠かせないマスク生活に必要なアイテムの紹介でした。
マスクによる肌への影響が毛穴にまで拡大している状況に対応し、気になる毛穴を集中ケアする商品を販売したのです。
初回の内容を例に「ファンケル ライブショッピング」の人気の秘密を5つご紹介いたします。
「ファンケル ライブショッピング」の5つの人気秘密
①生の声
初回の配信を担当したのはファンケル商品を熟知した商品企画と広報担当のお2人。
商品担当者や研究者の生の声が聞ける、ということもお客様にとってライブコマースの大きな利点です。
お客様はライブ配信中に気になったことや知りたいことをその都度、その場で質問することができます。
質問方法はチャット形式なので年齢を問わず誰でも簡単に質問を送ることが可能。
配信者のお二人は視聴者からのコメントにも笑顔でスムーズに対応し、終始和やかな雰囲気でした。
こうしてお客様とコミュニケーションをとり、信頼関係を築くにはライブコマースは最適な方法なのです。
②配信時間内限定
ファンケルのライブコマースではライブショッピング限定セットを特別価格で販売しています。
さらに、まとめて購入するとエコバッグやメイク用コットンなどがもらえる視聴者限定特典も用意されていました。
こうした配信時間内限定のセールは現在でも開催されており大きな反響を呼んでいます。
ファンケルのライブコマースでは人気の商品が50%offや65%offになるセールも頻繁に開催されており、早々に売り切れてしまうことが多いようです。
③エンターテインメント
また、今年8月に配信されたファンケルのライブコマースでは在宅勤務やお家時間が増える中で、食べ過ぎ防止を目的とした、食事の糖や脂肪の吸収を抑える機能性表示食品「カロリミット」やダイエット食品「パーフェクトスリムW」が紹介されました。
その際には商品紹介と合わせて様々な企画がありました。
例えば体内に吸収されたサプリメントの働きについて試験管を使って実験を行う、クイズ形式にして視聴者との交流を図る企画など。
こうした視聴者が配信を見るだけでも楽しめるようなコンテンツの工夫が、支持を集めファンを増やしています。
ただのセールスに止まらない「楽しい時間」を提供していることもファンケルがライブコマースで成功している一因なのです。
④新商品の先行販売
ファンケルのライブコマース「ファンケル ライブショッピング」には新商品を先行販売で一足はやくゲットできるという特徴があります。
一例をあげると2021年10月21日の配信では“スマート起床サプリ” 睡眠&疲労感ケアが先行販売されました。
睡眠&疲労感ケアは日本初の睡眠の質の低下による疲労をケアするサプリということもあり購入希望者が殺到していました。
こうした先行販売情報はファンケル ライブショッピングのホームページにあるカレンダーで事前に告知されています。
⑤利用者を意識した配信時間
ファンケルのライブコマース「ファンケル ライブショッピング」は配信時間帯を毎週火曜日の20:00~約30分間に設定しています。
なぜでしょうか?
ファンケルではライブコマースの楽しみ方について「おうちのソファでくつろぎながらライブ視聴」「ご家族、お子様と一緒にコメントで参加」と想定しています。
火曜の20:00~というのは女性が晩御飯を食べ終わりくつろいでいる時間帯を想定したものだったのです。
ファンケルはもう一つライブコマースの楽しみ方を提唱しています。
それは「スキマ時間に見逃した配信をチェック」。
これは配信終了後に過去の配信視聴できるサービスを指してのもの。
約30分間という時間設定は空いた時間に気軽に再生してもらうための尺だったのです。
プラットフォームにはHandsUP(ハンズアップ)を利用
HandsUP(ハンズアップ)は、ライブ配信機能、販売管理、注文顧客管理機能を備えたライブコマースツールです。
ダウンロード数と売り上げが日本一のライブ配信プラットフォーム(※1)17LIVE(イチナナ)を運営するスタートアップ企業が展開しています。
HandsUPを利用すると、スマホさえあれば、誰にでもすぐにライブコマースを始められます。
ECサイトを既に運営している場合そこに誘導することもできます。
また、HandsUP内で決済まで完結させることも可能。
店舗のある会社が、小規模に人気アイテムだけをオンライン販売するような使い方もできます。
HandsUPの集客方法は、SNSで配信URLを拡散する仕組みを採用していて、プラットフォームから直接ではありません。
そのため、商品を購入したり、コメントを投稿したりするには、Instagram、LINE、Facebookのどれかのアカウントからログインする必要があります。
(※1)17LIVE(ワンセブン)
17LIVE(ワンセブン)とは、2015年に台湾でスタートアップしたライブ配信アプリです。
ユーチューバーと同様、17LIVEに動画生配信する人のことを17ライバー(ワンセブンライバー)と言います。
視聴者からギフト(投げ銭)が贈られることで高額の報酬を得られるようになっています。
17ライバーには月収で1億円以上を稼ぐ人もいるそうです。日本では、2019年からスタートし、日本のライブ配信市場の大半をシェアしている状況です。
ファンケルのライブコマース初配信は成功?
ファンケルのライブコマース初配信の視聴者数は6000人を超えたそうです。
ショッピングアプリや店舗会員向けのメンバーズアプリによる情報発信、プレスリリースによる告知などで、既存顧客を中心に呼びかけ、集客を行ったといいます。
中国では一度のライブ配信で数千から数万人が商品を購入することも珍しくないため、現状まだまだと言えなくもありません。
しかし、日本は昨年の2020年からようやくライブコマース市場が伸びてきたばかりなので、その取っ掛かりの一旦としては「成功」といえるのではないでしょうか。
ファンケルはライブコマースを継続
ファンケルとしてはライブコマースに手ごたえが得られたらしくライブコマースの配信を続けています。
8月4日には、ファンケルの人気サプリメントである「カロリミット」や「パーフェクトスリムW」などが入った限定セットがライブ配信で紹介されました。
これは、新型コロナの蔓延により、在宅勤務や自宅で過ごす時間が増えていることで食べ過ぎ、体重増加する人が多いことに対応した商品だそうです。
試験管を使い、体内に吸収されたサプリメントの働きを簡単な実験により分かりやすく説明するなどされていました。
ファンケルは、今後もライブコマースを通じて顧客とのコミュニケーションを積極的に継続していく意向を示しています。
出典:https://www.fancl.co.jp/liveshopping/index.html
いかがでしたか?
他にも「コスメ業界のライブコマースとは?事例とともにご紹介」も合わせてご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。