人と合わなくてもコミュニケーションが出来るライブ配信はますます盛り上がっています。今や有名なアーティストも雑談配信やファンミーティングなどを行うため、興味のある方も多いはず。今回は主要なライブ配信ツールの1つである「LINE LIVE(ラインライブ)」の具体的な使い方や、機能・特徴、ライブ配信の始め方・人気のラインライブ配信について解説します。
目次
LINEとは?
「LINE」とは、スマホやPC、タブレットなどから利用できるコミュニケーションアプリです。「LINE」を利用しているユーザー同士なら、無料でメッセージのやり取り、音声通話、ビデオ通話などコミュニケーションを取ることができます。国内だけでなく海外でも利用可能で通信キャリアも問いません。オープンチャットでは、様々なグループに参加して情報交換が出来るほか、個人やグループ間では、テキスト、スタンプ、写真、動画、音声、位置情報、音楽などを共有できます。
他にもVOOMで今の状況をシェアしたり、ニュースを閲覧できたりなど様々な機能があります。「LINE」は特に若年層に人気です。総務省が2022年に発表した「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、国内の「LINE」使用率は60 代を除く各年代で 90%超。特に10代は92.2%、20代は98.1%と高い使用率になっています。
ちなみに「インスタライブ」を提供する「Instagram」の使用率は、10代が72.3%、20代は78.6%となっており、この比較からも「LINE」の使用率が高いことがわかります。調査からも、LINEは他のSNSよりも利用率が高く、周りの人がみんな使っているので安心して利用を始められるというユーザーが多いのが伺えます。
出典:https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html
LINEのコマース事業の流れ
「LINE」が行っている事業は多岐に及びます。そして新しい事業を作っては改善・改良し、時には撤退して、その経験を他の事業の糧としています。
例えば、2013年にサービスが開始された「LINE MALL」。「LINE MALL」は個人間用のフリマアプリでした。「LINE」上の機能ではなく、単体のアプリでしたが、メルカリの売上増加に伴い撤退。「LINE MALL」は2016年にサービス終了しました。その後同年に「LINEコマース」、「LINE LIVE(ラインライブ)」が本格的にサービスを開始。「LINEコマース」は、「LINE」上で直接商品の販売・購入ができる機能でしたが、思うように利用者が増えず撤退せずに撤退しました。
一方「LINE LIVE(ラインライブ)」は専用アプリを使ってライブ配信をするというもの。芸能人だけではなく一般ユーザーも配信・視聴出来るということで、2017年には個人配信者の総配信時間が昨年比19倍になるなど、順調にユーザーを獲得してきました。そして、「LINE」が次に仕掛けたのが「LIVEBUY」。2021年11月にテストリリースが発表された、専用アプリを使ってライブコマース配信ができる機能です。現在は全ユーザーに本格提供を開始しています。
LINE LIVE(ラインライブ)とLIVEBUYの違い
現在「LINE」では、出店した企業や個人事業主がライブコマースを行う「LIVEBUY」と個人がライブ配信を行う「LINE LIVE(ラインライブ)」があります。商用の「LIVEBUY」と個人使用の「LINE LIVE(ラインライブ)」で差別化が図られているため、「LINE LIVE(ラインライブ)」で公式アカウントがライブコマースを行っても購買層が少なくあまり成果は挙げられないのが現実的です。逆に「LIVEBUY」はそもそも企業や個人事業主のみが出店できるという制約があるため、個人での参入が難しいです。日常の雑談やラジオ配信、ゲーム配信などの個人的な活動を行うなら「LINE LIVE(ラインライブ)」を使用する方が向いていると言えます。
「LIVEBUY」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください:
【LIVEBUY(ライブバイ)とは?】LINEのライブコマースの使い方やメリットを徹底解説
LINE LIVE(ラインライブ)の特徴
「LINE LIVE(ラインライブ)」には「LINE」ならではの特徴などがあります。
- 基本料金無料で視聴&配信できる
- ログインするだけで、配信者に送れる「ハート」がもらえる
- タレントやモデル、歌手、声優など、多数の有名人も配信
- ファッション誌やオーディション等、大型タイアップイベント開催
- ラジオ配信やゲーム配信、カラオケ配信など、幅広いジャンルのライブ配信に対応
- アーカイブ機能を使えば後追い再生が可能
「LINE LIVE(ラインライブ)」は通常ライブ60分間の生放送。しかしタイトル『長時間』と明記すれば24時間までライブ配信が可能です。またアーカイブ機能をオンにしている配信者の場合、一定期間は配信を再度視聴することができます。グループ間・友人間のみのライブ配信も可能のため、会議や雑談で使用することも出来ます。
ご注意いただきたいのが、カラオケ配信やラジオ配信をしたい時。使用する音楽が著作権に違反しないか確認してください。著作権とは、制作物が勝手に使用されることを防ぐ為の権利です。全ての楽曲には著作権を持つ制作者がいるため、基本的に使用するには許可が必要です。ただし著作者が使用を許可している場合や、著作者の没後70年が経過している場合は、音楽を使用しても問題ありません。音楽が使用できる否かは、JASRACデータベースで確認する事ができます。
「LINE LIVE(ラインライブ)」では基本的に自身がやりたいと思ったことを配信出来ますが、著作権侵害や迷惑行為はペナルティやアカウント停止になります。マナーやルールを守って配信を行いましょう。
LINE LIVE(ラインライブ)の人気の理由
「LINE LIVE(ラインライブ)」も若年層を中心に人気となっています。マーケティングメディアの運営やリサーチを行っている「SORANA」が15歳〜24歳の男女800人を対象にアンケートを行ったところ、もっとも認知度が高いライブ動画配信アプリが「LINE LIVE(ラインライブ)」だったそうです。
その認知度は66.0%、利用率も19.9%と高いものでした。
その人気の理由は、同年代の配信者が多いこと。「LINE LIVE(ラインライブ)」のライブ配信者の多くは10代後半。ライブ配信内容も雑談、メイク、ゲーム実況、楽器演奏と10代が楽しめる物が多いため、友だちとわいわいしゃべっているような感覚で手軽にライブ配信を楽しめるという意見もあります。そして多くの10代が見ているから、学校やSNSでの『共通の話題』として盛り上がることが出来るというのも、人気の理由の1つかもしれませんね。
出典:https://sorena.media/article/981
LINE LIVE(ラインライブ)の楽しみ方
「LINE LIVE(ラインライブ)」にログインすると、毎日無料で「ハート」がもらえます。この「ハート」や、有料の「応援アイテム」を送ると、配信者のランキング順位が上がります。そのランキングには3つの種類があります。ハートをもらった数を競う「ライバー総合ランキング」。視聴者数を競う「視聴者数ランキング」。「男子」、「女子」などのカテゴリの中でハートの数を競う「カテゴリランキング」です。視聴者はハートやアイテムをたくさん送ることにより、ライブ配信を盛り上げ、一緒にランキング上位を目指せます。
また、「LINE LIVE(ラインライブ)」では、様々なジャンルのライブ配信が日々行われています。例えば、ラジオのように音声のみを配信するラジオ配信。ゲームしている様子を配信するゲーム配信。流行りの音楽に合わせて歌ったり、踊ったりするカラオケ配信、アーティストの無観客ライブ配信など。もちろんライブ配信のため、視聴者側から質問するなどライブ配信者とコミュニケーションを取ることが出来ます。特にいつもハートや応援アイテムを送ってくれる『常連さん』になれば、ライブ配信者に名前を覚えて貰ったり、質問の返答が来やすくなったり、とさらにライブ配信を楽しむことができるようになります。
たくさんのライブ配信者がライブ配信をしているためどれが好みの配信か分からない……と思った時、見て欲しいのがLINE LIVE(ラインライブ)トップ画面です。地域別、性別、イベント、人気配信など、カテゴリー別にライブ配信者を紹介しているため、気になるライブ配信者に出会えるかもしれません。ぜひ、お気に入りの配信者を見つけて、「ハート」を送ってみてくださいね。
有料オンラインライブ配信が楽しめる「LINE LIVE-VIEWING」
「LINE LIVE-VIEWING」は『オンラインでしか体験できない、究極のライブ空間』を提供するためにLINEが行っている、アーティストのライブや公演、オンラインファンイベントなどをライブ配信するサービスです。そのサービスの魅力は、チケット購入から情報提供、配信まで全てLINEアプリで完結すること。公式LINEで情報を発信し、LINE LIVE(ラインライブ)アカウントで配信を視聴することが出来ます。
そしてライブ配信と同じく、リアルタイムでコメントやハート、専用アイテムを送ってアーティストを応援できること。場合によってはコメントに答えてくれたり、アイテムのお礼を言ってくれたりするため、ライブ会場とはまた違った満足感を味わうことが出来ます。過去には、「宇多田ヒカル」や「YOASOBI」、「乃木坂46」なども配信を行ったこのサービス。コロナの影響で現地に行くことが難しい時もあると思います。そんな時に手軽にコンサートやイベントに参加できるツールとして活用していきしょう。
人気のLINE LIVE(ラインライブ)ライブ配信事例
色々と見てきましたが、では実際「LINE LIVE(ラインライブ)」ってどんな配信なの?と思われているのではないのでしょうか。そういう方のために「LINE LIVE(ラインライブ)」で人気のライブ配信事例を実際にご紹介します。全て録画が公開されているため、ぜひ一度興味のあるものを見てみて「LINE LIVE(ラインライブ)」でのライブ配信のイメージを掴んでください。
1.11月も宜しくお願いします🎸🎤入場無料ZEPPへの道🔥✨6
こちらは、投げ銭だけで日本一周達成を成功させたシンガーソングライター「根のシン」さんのLINE LIVE(ラインライブ)。「 AWARD 2022」第二位にも選ばれた配信者さんです。日本全国で路上パフォーマンスを行い、2021年8月には「なんばHatch」にてワンマンライブを成功させました。
現在は、入場無料でZEPPでライブをするという目標を叶えるために、週5でライブ配信を行っています。ライブ配信内容は、視聴者との雑談と楽器の弾き語り。視聴者とのコミュニケーションを大切にしており、コメントから話を膨らませたり、視聴者からリクエストがあればその曲を演奏したりとライブ配信を楽しんでいるのが伝わってきます。弾き語りやカラオケ配信などの音楽系の配信を考えている方は、ぜひ一度見てみてください。
出典:「11月も宜しくお願いします🎸🎤入場無料ZEPPへの道🔥✨6」https://live.line.me/channels/4111489/broadcast/21438961
2.asukaののほほんラジオ体操🤸
ラジオ体操配信をしている「asuka」さんのLINE LIVE(ラインライブ)です。asukaさんは洋服×着物のmixコーディネートをしたり、着付けの練習配信をしたりと着物女子として配信を行っています。
ラジオ体操配信は、ライブ配信中の視聴者との会話がきっかけで始まったそうなのですが、現在は日曜日を除く週6日、AM6時半からラジオ体操とストレッチのライブ配信をしているライブ配信者です。視聴者とテンポよく雑談し、ラジオ体操やストレッチパートでは解説をしながら一緒に運動してくれるため、毎朝のルーティーンとして視聴している方もいらっしゃるようです。雑談だけではなく他に何か差別化したい、という方はasukaさんのライブ配信が参考になると思いますので、ぜひ見てみてください。
出典:「asukaののほほんラジオ体操🤸」https://live.line.me/channels/13803960/broadcast/20545124
3.松田の岳屋 vol.45
舞台俳優をしている「松田岳」さんの公式LINE LIVE(ラインライブ)です。上記2名の方と違う点は、公式アカウントからのライブ配信であること。そのため、機材や撮影場所が整っていることや累計ポイント上位にはプレゼントが用意されていることです。ライブ配信内容は主に雑談で、出演作の裏話や近況報告を行っています。スタッフの方とのやり取りが多いため、ラジオ感覚で聞ける配信になっています。
公式アカウントで配信をしたい方には、参考になる配信かと思いますので、ぜひ見てみてください。
出典:「松田の岳屋 vol.45」https://live.line.me/channels/3821172/broadcast/21359713
LINE LIVE(ラインライブ)ライブ配信の方法
1.LINE LIVE(ラインライブ)の動作や配信環境を整える
まずスマホ、タブレット、PCなどの、「LINE」がダウンロードされているデバイスを用意します。あらかじめビジネスアカウントを取得して、ビジネス用のLINEや公式LINEを開設しておくとスムーズです。また、スマホ、タブレットはアプリを、PCは「OBS Studio」などのライブ配信用のソフトウェアをダウンロードすることが必要です。違いとしては、スマホやタブレットは縦画面しか配信できないのに対して、WebPC版は横配信にも対応しています。スマホ、タブレットとPCでは設定の仕方が若干違うため分けて説明します。
〇スマホ、タブレットの場合
「LINE」アプリを開き、ホーム画面から「サービス」を選択し、「LINE LIVE」を選択します。すると「LINE LIVE」をダウンロードする画面に移行するので、アプリストアからダウンロードしてください。ダウンロードすると利用規約が表示されるので確認し、「LINE LIVE(ラインライブ)」と「LINE」の連携を許可します。後はプロフィールを設定してライブ配信を始めましょう!
〇PCの場合
WEB版の「LINE LIVE(ラインライブ)」にログインして、利用規約に同意。その後アカウントのプロフィールを設定しましょう。次に、右上のアカウントから「PCから配信」を選択します。LINELIVEでの配信に必要な「ストリームKey」と「URL」を確認が確認できるので、ライブ配信用ソフトに設定します。
ここから先はライブ配信用ソフトの設定に移ります。
「LINE LIVE(ラインライブ)」のおすすめの配信ソフトウェアは「OBS Studio」 で、これを使ったマニュアルが公式HPにアップしてあります。こだわりの配信ソフトを所持していない場合は、「OBS Studio」を使用するのが良いでしょう。
まずは解像度。縦画面で配信するときは、解像度を720×1280に変更。横画面での配信は解像度を1280×720に変更し、プレビュー画面がそれぞれに対応しているかを確認。そして出力を確認して設定は終了です。次にインターネットの速度確認です。
PCからの配信は低画質に未対応のため、高速度のインターネット環境が必要です。具体的には、アップロード速度が最低4Mbps以上となるかどうか。お店のフリーWi-Fiやモバイルルーターは速度が遅く、使用する場合は配信が難しいかもしれません。その他にも、配信前のタイトルやカバー画像などは変更不可で、配信後にアプリから変更ができます。変更したい場合は、アプリを使用して配信するか配信後にアプリから操作しましょう。
上記のいずれでもライブ配信やラジオ配信は出来ますし、もちろん場面に応じて複数のデバイスを使い分けることも可能ですので、状況にあった端末をお使いください。
参照:http://linelivedocs.blog.jp/manual/official/PC%E9%85%8D%E4%BF%A1_LINELIVE%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB.pdf
2.ライブ配信の内容決める
次にどのようなライブ配信にしたいかを決めます。
現在「LINE LIVE(ラインライブ)」でライブ配信を行っている例としては、雑談、メイク、ゲーム実況、楽器演奏、ラジオ配信、カラオケ配信など多種多様。この中から、もしくはこれ以外でも可能ですが、自分がどのような配信をしたいのかを決めましょう。特に希望がない場合は雑談がおすすめです。勉強や家事、育児の合間でも配信できますし、視聴者の反応を見ながら話題を変えることができるなど自由が利きます。
どんなライブ配信がしたいのかが決まったら、何を話すかを事前に書き出して、事前に台本やメモ書きを作るのがおすすめです。全ての内容を決める必要はありませんが、大まかな流れや話したいことを纏めておいた方が、話の内容を忘れてしまったり話題が無くなってしまった時の時の助けになります。視聴者とコミュニケーションを取り全てアドリブで進めていくライブ配信者もいますが、基本的にベテランの方が多いのが現状。初心者はある程度話す内容を決めておいた方が無難です。
3.ライブ配信設定を変える
次にライブ配信内容によって配信設定を変えます。設定はアプリから出来る、最低限しておいた方がいいものを説明します。
・カテゴリ設定
ライブ配信内容に合ったカテゴリを選択し、視聴者の検索に引っ掛かりやすくします。カテゴリの内容は、「性別」「アイドル」「ゲーム」「トーク」など様々ですが、既存のカテゴリに当てはまらない時は、新しいカテゴリを作ることも可能です。カテゴリ設定をタップして好きなカテゴリを選ぶだけで設定完了です。
・録画の公開設定
ライブ配信終了後に録画を公開するかしないかを選択できます。録画を公開したくない場合はオフにしておきましょう。ちなみに録画はハートを投げたりコメントをしたりは出来ません。
・Twitterとの同期
ライブ配信準備画面の青い鳥のマークをタップすると、Twitterとの同期が出来ます。ライブ配信が開始になると、URLが自動で追加されて投稿できるようになります。同期をオフにしたい場合はもう一度タップしてください。その他、チャレンジ設定、マッチライブのON/OFF、つんつん挨拶、フィルター設定、カラオケの音楽設定など色々な機能があるため、目的に応じて必要な機能の設定を行ってください。
4.ライブ配信を告知する
次に、ライブ配信を告知します。配信の準備が整ったら、自身のSNSでライブ配信の告知をしましょう。SNSは「Instagram」や「Twitter」、「Facebook」などそれぞれ利用者層が異なりますので、ターゲット層に合ったものを選びます。ライブ配信を告知するタイミングも重要です。ライブ配信の何日か前に告知をしたのなら、当日や配信直前に再度告知(リツイートやストーリーの投稿)をするのがおすすめ。うっかり配信のお知らせを見逃していた人も、再度の告知で来てくれるということがあります。適切にSNSを使い、自身のライブ配信の視聴者を増やすことを意識しながら、配信を告知するようにしましょう。
こちらのコラムも参考にご覧ください:知っておくべき!失敗しないライブコマースのやり方
まとめ LINELIVE(ラインライブ)について
「LINE LIVE(ラインライブ)」の特徴と人気のラインライブ事例、アプリの使い方をライブ配信の手順も含めて解説しました。
「LINE」は身近な存在であり気軽に参加しやすいツール。ライブ配信も携帯端末一台で出来ますし、編集技術が無くても大丈夫です。ぜひ「LINE LIVE(ラインライブ)」でライブ配信してあなたの『好き』を一緒に楽しみましょう!
LINEアプリを使ったLIVEBUYのコラムもご覧ください:【LIVEBUY(ライブバイ)とは?】LINEのライブコマースの使い方やメリットを徹底解説